恋愛の悩みは、年齢や時代を問わず常に存在します。
誰かを好きになることは避けられませんが、好きな人が振り向いてくれるとは限りません。
どんなに強く思っていても、それだけでは難しいものです。
しかし、好きな人に振り向いて欲しいと思うのが人の常です。
自分の好きな人が他の人と一緒になるのは耐えられないでしょう。
心理学では、恋愛に限らず他者に好意を持たれるためのテクニックが存在します。
また、恋愛上手な人の技を参考にすることも効果的です。
まずは相手が自分をどう思っているかを知り、それを基に対策を練ることが必要です。
今回は、好きな人を振り向かせるための心理テクニックについてお話しします。
自分に自己暗示をかける
ことわざに「自分が嫌いなら相手も嫌っている」というものがありますが、これは逆も然りですし、恋愛における熱量にも関係します。
自分が強く相手を思っていなければ、相手が振り向くことはありません。
心理テクニックを使う前に、自分に問いかけてみましょう。
自分はどれだけ相手を好きなのか? どれほど求めているのか?
人は強い感情に揺り動かされます。
情熱がなければ、ただテクニックを使っただけでは事は運びません。
情熱が人を動かすのです。
「一生愛する、一生一緒にいる」という感情でなくても構いません。
今、現在自分がどうしても相手を好きで、相手を手に入れたい気持ちがあるかが重要です。
また、そうした感情を持つために自己暗示をかけることも必要です。
「自分は相手をとてつもなく好きだ、どうしても欲しい」と暗示を掛け続けましょう。
思い込みもまた、十分に熱量を持つものです。
ミラー効果で同調効果を得る
心理学のテクニックで「ミラー効果」というものがあります。
「ミラーリング効果」とも呼ばれます。
これは簡単に言えば、相手にとっての投影に自分自身がなることで、身近さを演出することです。
例えば、相手の行動や言動を自然に真似ることで同調効果を狙います。
ただし、ただの真似は相手を不快にさせる可能性があるので、タイミングを考えて使う必要があります。
ボッサード効果で相手との距離感を把握する
人には「パーソナルスペース」と呼ばれる領域があります。
これは簡単に言うと「縄張り」と言えるでしょう。
警戒心を持つ相手は、この距離に入れないものです。
これは意識的に行っているのではなく、無意識に距離を保っています。
シンプルでありながら、相手との距離感を知る有効な手段が「ボッサード効果」です。
好きな相手にどこまで近づけるか、少しずつ距離を縮めながら確認しましょう。
多くの場合、個人差はありますが、50cmから60cm以内がパーソナルスペースです。
この距離に入ることができるなら、相手が自分に好意を持っていることが分かります。
ゲインロス効果でギャップを演出する
心理学では「ゲインロス効果」というものがあります。
これは簡単に言うとギャップのことです。
漫画やドラマで、人に心を許さない不良が、雨に濡れた捨て猫を拾って可愛がるようなシーンを指します。
しかし、都合良く捨て猫がいるわけではありませんし、自分のキャラクターが常にクールで強面とは限りません。
そこで、ゲインロス効果を「ツンデレ作戦」と呼びます。
例えば、あるコミュニティで絶大な人気を持つ人がいます。
モデルをしていたり、異性のほとんどがその人を狙っています。
こういう場合、他の人と同じようにその相手をチヤホヤしてはなりません。
全く興味がないふりをします。
話もしません。
その人以外には愛想よく接します。
チヤホヤされて当然と思っているその人は、次第にあなたに興味を持ちます。
ある程度の時間が経過した後、偶然を装って二人になる状況を作り、これまでになく愛想よく話すと、相手の印象がガラッと変わります。
嫌われていなかったという安心感が生まれ、相手はその安心感を愛情に置き換え、あなたを好きだと思うようになります。
こうして、ゲインロス効果を作り上げることで、相手を振り向かせる強力な武器になります。
『相補性の法則』で相手が持っていない利点をアピールする
ミラー効果で「類似性」の効果に触れましたが、恋愛においてよく見られるパターンは、特に外見において、自分が持っていないものを持っている相手に惹かれることです。
例えば、ふくよかな人に対して痩せ型の人、高身長に対して低身長といった間逆のカップルが意外と多いことに気づくでしょう。
これは「相補性の法則」と言えます。
自分にないものを相手が持っていることで、自分の不足分を補おうとする行為です。
これは意識的に行っているわけではなく、人間の潜在意識が求めている行為です。
体型を変えることは容易ではありませんが、ファッションや考え方などで演出することは可能です。
過剰に相違を演出すると、類似性の法則が無駄になるので注意が必要です。
できるだけ、表面的な相違を演出しましょう。
『ドアインザフェイス』で要求を通しやすくする
人間には面白い特性があり、最初に高い要求を提示すると、次の低い要求を受け入れやすくなる性質があります。
例えば、ビジネスの契約で最初に非常に高い価格を提示してから値下げすると、その価格が安く感じられます。
また、外食の際に5000円、8000円、10000円のコースがある場合、最も安い5000円のコースを選びたくなるのが普通ですが、10000円のコースを8000円にしますと言われると、8000円でも安く感じてしまい、そのコースを注文して満足してしまうのです。
この原理は恋愛にも応用できます。
例えば、最初に「結婚してほしい」という高い要求を出すと、当然断られます。
しかし、その後に「じゃあ、付き合うだけでも」と言うと、案外うまくいくことがあります。
これは、最初に結婚という高いハードルを提示されたことで、次の付き合うという要求が低く感じられるためです。
このように、ハードルが高ければ高いほど、その後の要求が受け入れられやすくなるのです。
『吊り橋効果』で共感を生み出す
映画などでもよく見られる恋愛のパターンに、「危機感の共有」があります。
これは心理学的に言う「吊り橋効果」の一つです。
不安定な場所では、人の意志は弱くなります。
そこで、共感を図ることで相手が自分を好きになる可能性が高まります。
また、これは日常の空間ではなく非日常の空間であるため、共感の効果がより強く働きます。
この方法は、特に男性が女性に対して使うと効果的ですが、現代では男女問わず効果を発揮する可能性があります。
非日常の恐怖を感じる場面では、相手は自分に多くを求め、依存心が強くなります。
そこで、問題を解決することで相手は単純に自分を好きだと錯覚するのです。
『思い込みの法則』で最大の理解者になる
例えば、テレビなどで霊能者や占い師、スピリチュアルカウンセラーが使うテクニックがありますが、事前調査をしておけばそれほど難しくない方法です。
彼らが行っていることは、実際に霊やオーラが見えるわけではなく、誘導型の心理テクニックに過ぎません。
簡単に言えば詐欺ですが、個別で行い金銭の授受がない場合は、ただの心理テクニックです。
まずは簡単な事前調査を行い、表面に出てこない相手の心理を探ります。
二人で話す機会がある時に、あたかも「自分だけがあなたの深層心理を理解している」と言うふりをします。
これで相手はあなたが最大の理解者だと思い込みます。
告白する際は、「好きです。付き合ってください」ではなく、「あなたは深層心理で既に私を好きになっている」と繰り返し決めつけます。
相手はあなたが最大の理解者だと思っているので、本当に好きになっているのではないかと感じてしまいます。
その後も会話の中で「もう好きなはず」「運命」といった言葉を多用します。
相手は「自分を理解してくれるのはこの人だけ」と認識し、運命という言葉に信憑性を感じるのです。
「付き合ってください」ではなく「付き合うべき」というスタンスが重要です。
まとめ
いかがでしたか?
恋愛は単なる思い込みであり、幻想です。
形があるわけでも保証があるわけでもなく、ただの漠然とした思いと生物としての自然な反応に過ぎません。
したがって、心理テクニックを使って相手に暗示をかけたり、思い込ませるだけで成功率は格段に上がります。
恋愛が確かなものであれば、このようなテクニックは通用しないはずです。
しかし、これが通用するということは、どれだけ上手く深く洗脳できるかが鍵であるということです。
深層心理や無意識に言及することで、意外と人は信じやすくなります。
相手を振り向かせるのではなく、思い込ませることが恋愛における心理テクニックなのです。
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