ターメリックの力を知ろう!がん予防からアンチエイジングまで

ターメリックといえば、カレーに使われるスパイスとしてよく知られています。

しかし、実際にはターメリックの健康や美容への効果も注目されています。

インドや中国では、古くから健康に良いとされ、治療にも使われてきました。

ターメリックの主な効能は以下の3つです。

  • 抗炎症作用
  • 抗酸化作用
  • がん予防効果

最近の研究では、これらの効能がさまざまな病気の予防に効果的であることが明らかになっています。

今回は、ターメリックの効能や予防効果が確認されている病気、そしてターメリックを使ったレシピについて紹介します。

目次

ターメリックとは?

ターメリックは「秋ウコン」とも呼ばれ、栽培時期によって「春ウコン」と区別されます。

インド、中国、インドネシアなどの熱帯地域で産出され、日本でも沖縄や種子島で栽培されています。

ショウガ科の植物で、生姜に似た香りと風味があります。

ターメリックはその効能から、料理だけでなく古くからインドや中国で治療にも使われてきました。

WHO(世界保健機関)が承認するインドの伝統医学「アーユルヴェーダ医学」では、4000年以上前から創傷治癒や整肌に用いられています。

中国の「中国伝統医学」では、血液の循環を改善し、生理痛などの痛みを和らげる方法として使われています。

日本でも「ウコンの力」が販売されており、ターメリックの効能が二日酔いに有効とされています。

このように多くの治療法に用いられるターメリックですが、その効能の鍵を握るのが「クルクミン」という成分です。

ターメリックに含まれるクルクミンの3つの主要効能

ターメリックの主成分「クルクミン」は、健康や美容に良いとされるポリフェノールの一種です。

ポリフェノールといえば、健康食品として広く知られていますが、一般的な効能としては抗炎症作用や抗酸化作用があります。

ターメリックに含まれるクルクミンも同様の効能を持っています。

最近では、クルクミンが各国で注目され、さまざまな研究が行われています。

ターメリックのクルクミンについて、特に注目すべき3つの効能を紹介します。

1. 抗炎症作用

クルクミンには強力な抗炎症作用があり、関節リウマチやその他の炎症性疾患の予防や治療に効果的です。

2. 抗酸化作用

クルクミンは強力な抗酸化作用を持ち、体内の酸化ストレスを減少させることで、美容や健康をサポートします。

3. がん予防効果

クルクミンはがん細胞の成長を抑制し、がんの予防に寄与することが研究によって示されています。

ターメリックの驚くべき効能を活かして、日々の食事に取り入れてみてください。

抗炎症作用:体の回復を助ける

風邪を引くと喉が痛くなったり腫れたりしますが、これは細菌やウイルスが体内に入ると、細胞が「サイトカイン」を分泌し、免疫細胞が活性化して異物を攻撃する炎症反応です。

しかし、炎症反応が慢性的に続くと体の組織や機能に異常をきたし、さまざまな病気を引き起こします。

この炎症反応を抑えるのが「抗炎症作用」です。

ハウス食品グループ株式会社は、クルクミンに抗炎症作用があることを研究で明らかにしました。(第28回日本未病学会学術総会より

アルツハイマー型認知症の原因が細胞の炎症反応によるものであることから、抗炎症作用がその発症を予防するとも考えられています。

抗酸化作用:美容と健康に効果的

抗酸化作用は美容に良いとされ、インドではアンチエイジングとしてターメリックを粉末状にして顔に塗っていたといわれています。

抗酸化作用とは、体内で発生する「活性酸素」を抑える働きのことです。

活性酸素は免疫機能として働きますが、増え過ぎると細胞を傷つけます。

年齢とともに抗酸化物質の働きが低下し、活性酸素が増えることでシミやくすみ、生活習慣病やがんの原因となります。

ターメリックに含まれるクルクミンは、抗酸化物質「グルタチオン」の合成を高める効果があり、アンチエイジングや生活習慣病の予防として期待されています。

このように、ターメリックのクルクミンは抗炎症作用や抗酸化作用を持ち、健康と美容に多大な効果をもたらします。

がんの発生を抑えるクルクミンの力

ターメリックの主要成分であるクルクミンには、がんの発症を抑える効果があるとされています。

日本では、1988年から国立がん研究所がクルクミンを抗がん剤として研究開発しています。

また、クルクミン点滴を用いたがん治療を行っているクリニックもあり、その効果が期待されています。

がんは異常な「がん細胞」が無制限に増殖し、体の機能を低下させる恐ろしい病気で、最悪の場合死に至ります。

クルクミンには、がんの発生を抑制する以下のような作用があります。

  • がん細胞の増殖に必要な細胞周期を停止させる
  • がん細胞が組織に侵入する際に必要な酵素の活性を抑える
  • 腫瘍の成長に必要な血管新生を阻害する

ターメリックに含まれるクルクミンには、がんの発生を抑える効果が3つもあります。

ターメリックの効能で予防できる病気

ターメリックに含まれる「クルクミン」は、その優れた効能が多くの研究で明らかにされています。

これまで多くの病気予防に関する栄養素を調べてきましたが、これほど多くの研究結果があるものは珍しいです。

具体的にどのような病気に対してクルクミンが効果を発揮するのか説明します。

がん

がんは日本の主要な死因の一つです。

ターメリックに含まれるクルクミンは、がんの発生を抑える効果があり、実際に治療にも使用されています。

京都大学医学研究科の金井雅史特定准教授らの研究グループは、治療抵抗性大腸がんの動物モデルにおいて、水溶性プロドラッグ型クルクミン(CMG)が顕著な抗腫瘍効果を示すことを発見しました。

CMGは腫瘍の成長を49%抑制し、この結果は統計的に有意でした(P < 0.05)。

また、L-OHPとCMGの併用治療はそれぞれの単独治療よりも高い抗腫瘍効果を示し、対照群と比較して腫瘍の成長を57%抑制しました(P < 0.05)。

引用元:National Library of Medicine/Curcumin β-D-glucuronide exhibits anti-tumor effects on oxaliplatin-resistant colon cancer with less toxicity in vivo

その他にも、子宮筋腫や乳がんの発生抑制、がんに対する解毒酵素の活性化に関する研究結果も報告されています。

がんの死亡率は以前より低下していますが、新しい治療法が増えることで、がん患者の希望をさらに広げることができるかもしれません。

関節リウマチ

関節リウマチは、関節を包む滑膜の炎症によって引き起こされます。

ターメリックに含まれるクルクミンの抗炎症作用が、関節リウマチの予防に効果があるとされています。

イランのカーシャーン医科大学のEbrahimzadeh Arminらの研究によると、クルクミンを補給すると関節リウマチにおけるCRP値が減少したと報告されています。(CRPは炎症の程度を示す値)

このように、ターメリックには関節リウマチの炎症を抑える作用があります。

しかし、日本の研究では、クルクミンの投与前後で大きな差がないと報告される場合もあり、今後の研究結果が期待されています。

アルツハイマー病

ターメリックに含まれる「クルクミン」には、アルツハイマー病の予防効果が期待されています。

インドでは、アルツハイマー病の発症率が低いとされています。

多くの研究者は、インド人がカレーをよく食べることが原因かもしれないと考えました。

その結果、世界中でさまざまな研究が行われ、クルクミンがアルツハイマー病に関与していることが明らかになりました。

アルツハイマー病には、アミロイドβという物質の増加が関与しているとされています。

東田千尋教授と久保山友晴准教授の「伝統薬物研究が薬理学にもたらす新しい視点」によると、 「クルクミンは、アルツハイマー病モデルマウスの脳内のマイクログリアやアストロサイトを減少させ、アミロイドβの量も抑制する」と発表しています。

また、金沢大学大学院の山田正仁教授と小野賢二郎医師らも、クルクミンがアルツハイマー病の原因物質の生成を防ぐ効果があると報告しています。

(参考資料:認知症と食生活の関係を探る もの忘れ外来臨床医が注目するカレースパイスの可能性

高齢社会となり、アルツハイマー型認知症の患者が増え続けることが予想されます。

もしかしたら、将来的にはターメリックを日常的に取り入れることが一般的になるかもしれません。

おすすめのターメリックレシピ3選

たくあんの色付けにターメリックが使われていることをご存知でしたか?

私もよく食べるのですが、成分表を見て驚きました。

食品安全委員会「JECFA」によると、ターメリックに含まれるクルクミンの一日摂取量は体重1kg当たり3mgと設定されています。

クルクミンの一日推奨摂取量 = 3mg × 体重(kg)

摂取し過ぎると、副作用として肝臓や腎臓に障害が出る可能性があるので注意しましょう。

ここでは、ターメリックを使った料理をいくつかご紹介しますので、参考にしてください。

ターメリックライス

カレーやタコライスにぴったり!カレーなどに☆ターメリックライス黄色いご飯

材料(5~6人分)

  • 米 4合
  • ターメリック 大さじ1
  • バター 小さじ1
  • 水 4合の目盛りまで

作り方

  1. お米を普通にとぎ、4合の目盛りまで水を入れます。そこにターメリックをすべて加えます。
  2. 軽く混ぜます。
  3. バターを上にのせて普通に炊きます。
  4. 炊き上がったら少し蒸らしてから蓋を開けます。
  5. 完成です!

引用元:楽天レシピ/カレー等に☆ターメリックライス黄色いご飯

ターメリックラテ

本格派におすすめ!朝食やティータイムに「ゴールデンミルク」こと、ターメリックチャイラテ♪

材料(1人分)

  • 無調整豆乳200cc
  • 水 小さじ2
  • 蜂蜜 小さじ1
  • ★ターメリック(粉末)小さじ1/2
  • ★シナモン(粉末)小さじ1/4
  • ★ジンジャー(粉末)少々
  • ★カルダモン(粉末)少々
  • ★グローブ(粉末)少々
  • ★オールスパイス(粉末)少々
  • <飾り用>
  • ターメリック 少々
  • 八角 1個

作り方

  1. 水をレンジで温めて、蜂蜜を溶かします。
  2. ①に★のスパイスを加え、ダマが残らないようによく混ぜます。
  3. 小鍋に無調整豆乳と②を入れ、弱火で熱します。沸騰する前に火を止め、泡立て器で軽く泡立てます。
  4. マグカップに注ぎ、上にターメリックをまぶし、八角を乗せます。

引用元:楽天レシピ/「ゴールデンミルク」こと、ターメリックチャイラテ♪

スパイスカレー

本格的なスパイスカレーを楽しみたいなら、このレシピがおすすめです!基本のスパイスカレー

材料(2人分)

  • 玉ねぎ1個
  • ★おろし生姜 大さじ1/2
  • ★おろしにんにく 大さじ1/2
  • ★トマト缶 1カップ
  • ★プレーンヨーグルト 1/4カップ
  • サラダ油 大さじ1と1/2
  • クミンシード 小さじ1
  • ●ターメリック 小さじ1/4
  • ●チリパウダー 小さじ1/4
  • ●コリアンダー 小さじ2
  • ●クミンパウダー 小さじ1
  • ●塩 大さじ1/2
  • ガラムマサラ 小さじ1/2

作り方

  1. 玉ねぎを薄切りにします。
  2. フライパンにサラダ油とクミンシードを入れ、中火で炒めます。
  3. クミンシードの香りが立ったら、玉ねぎを加えて飴色になるまで炒めます。
  4. ★の材料を加え、汁気を飛ばしながら炒めます。(どろっとするまで)
  5. ●のスパイスを合わせておきます。
  6. 弱火にして、⑤のスパイスを加えて1分ほど炒めます。
  7. 水1カップを加え、強めの中火でとろみがつくまでかき混ぜながら煮詰めます。
  8. ガラムマサラを加えて全体を混ぜ、火を止めます。
  9. これで基本のカレーベースは完成です。温め直してお好みの具材を加え、最後にガラムマサラを小さじ1/2加えて仕上げます。

引用元:楽天レシピ/基本のスパイスカレー

まとめ

今回は、ターメリックの効能、予防が期待される病気、そしてターメリックを使ったレシピについて紹介しました。

ポイントはこちら。

  • ターメリックの効能には「クルクミン」が深く関わっている
  • ターメリックの効能には、抗炎症作用、抗酸化作用、がんの発生を抑制する作用がある
  • ターメリックを摂取することで、がん、関節リウマチ、認知症の予防が期待できる
  • ターメリックを使った料理に挑戦してみましょう

ターメリックについて詳しい友人や知り合いがいる場合は、ぜひ話を聞いてみると良いかもしれません。

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