多くの人が意外と抱える貝類アレルギーは、甲殻類アレルギーと同じく注意が必要です。
食事の制限が主な対策となりますが、今回は以下の点について解説します。
- 貝アレルギーの基礎知識
- 発症時の対応方法
- アレルギー反応を起こす貝類
貝アレルギーとは何か?
貝アレルギーは聞きなじみが薄いかもしれませんが、実際には存在するアレルギーです。
どのような症状があるのでしょうか?
症状の種類
シーフードアレルギーには大きく分けて3つのタイプがあります。
- 甲殻類
- 軟体類
- 貝類
魚介類全体で見ると、様々なアレルゲンがあります。
特に甲殻類アレルギーでよく知られているのは、エビやカニです。
エビアレルギーを持つ人の約65%は、カニを食べると同じ症状が出ます。
しかし、甲殻類と軟体類、または甲殻類と貝類の両方にアレルギーを持つ人はそれほど多くありません。
そのため、甲殻類アレルギーがあるからといって、軟体類や貝類を避ける必要はないのです。
貝アレルギーによく見られる症状には、
- じんましん
- 呼吸困難
- まぶたの腫れ
- 吐き気・嘔吐
- 喉の痒み
- 腹痛・下痢
などがありますが、これらは一般的なアレルギー症状です。
重篤化するとアナフィラキシーショックを起こす可能性もあるため、原材料のチェックが重要です。
発症のタイミング
通常、食物アレルギーは食後すぐから1時間以内に発症します。
症状が出るのは遅くても4時間以内で、これを即時型アレルギーと言います。
症状は個人差がありますが、重症化すると血圧低下や意識障害を引き起こすアナフィラキシーショックが発生することがあります。
発症時の適切な対処法
貝を食べた後にアレルギー症状が出た場合、どのような対処が必要でしょうか?
また、病院への受診タイミングについても触れます。
症状が収まるまでの期間
貝類に含まれる主なアレルゲンはトロポミオシンというタンパク質です。
これは食物に対するIgE抗体によって反応が起こるとされています。
アレルギー症状が軽度である場合、発症後1時間程度様子を見ましょう。
軽症であれば、1時間以内に症状が落ち着くことが多いです。
しかし、1時間経過しても症状が改善しない、または悪化した場合は、速やかに病院を受診することをお勧めします。
病院を受診すべきタイミング
最も重篤な状態はアナフィラキシーショックです。
この状態に陥る前に病院へ行くことが推奨されます。
特に緊急性が高いアレルギー症状には、
- 呼吸器系:咳や声の変化、呼吸困難
- 消化器系:腹痛、吐き気、嘔吐、下痢
- 循環器系:脈が速い・不規則、手足が冷たい、血圧低下
- 神経系:元気がない、ぐったりする、意識が朦朧とする
などが挙げられます。
これらの症状が現れた場合は、速やかに病院で専門医の診察を受けることが適切です。
また、アレルギー症状が疑われる場合は、アレルギー検査を受けることをお勧めします。
自分に合った食材を知ることで、食生活がより充実するでしょう。
貝アレルギーを引き起こす主な食品
貝アレルギーの原因となる食品には、以下のようなものがあります。
貝類
貝アレルギーは、貝を摂取することで症状が発生します。
主な原因となる貝には
- アワビ
- アサリ
- カキ
- ホタテ
などがあります。
ただし、消化器系に症状が出た場合は、アレルギー以外の原因も考慮する必要があります。
例えば、貝の毒素やウイルスの混入、細菌による感染などです。
貝類のアレルゲンは熱に強いため、加熱調理してもアレルギー症状を抑えることはできません。
そのため、貝類アレルギーを持つ場合は、完全に避ける必要があります。
生の寿司や刺身はもちろん、加熱調理したものも摂取しないようにしましょう。
エキスや調味料
貝のエキスや調味料にもアレルゲンが含まれることがあります。
練り物や冷凍食品、シューマイなどにも注意が必要です。
また、貝類を煮込んだ料理のスープでもアレルギー反応が見られることがあります。
ただし、個人差があるため、出汁や煮汁であれば問題ないという人もいます。
医師と相談し、自分に合った食べられる範囲を確認しましょう。
菓子類
せんべいやスナック菓子には魚介のエキスが使用されることがあります。
ふりかけにも魚介エキスの製品があります。
貝類アレルギーは比較的少ないため、特定原材料には指定されていません。
記載がないからといって使用されていないとは限らないため、注意が必要です。
原材料について販売店に尋ねても、情報が得られないことが多いため、自己管理が重要です。
まとめ
貝アレルギーに関する理解を深めることができました。
この記事のポイントは以下の通りです。
- 貝アレルギーは一般的ではないが、実際に存在する
- 一般的なアレルギー症状が見られ、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性もある
- 貝に含まれるアレルゲンは加熱しても効果がないため、完全に避ける必要がある
- 貝類は魚介エキスとして使用されることが多く、避けるのが困難な場合がある
日本では魚介類の消費量が世界トップクラスです。
魚介類は私たちの食生活に不可欠な要素です。
貝アレルギーを持つ場合でも、食べられるものと食べられないものを区別し、食生活の質を向上させることが大切です。
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