洗濯槽に浮かぶ黒茶色のカスは、まるでワカメのようで見た目にも気になるものです。
せっかく洗濯したのに、衣類に黒い汚れが付くと、気分も落ち込みますよね。
掃除をしてもなかなか効果が現れず、困っている方も多いでしょう。
この「ワカメ」のようなカスは、実は黒カビの可能性が高いのです。
このガイドでは、洗濯槽に浮かぶ黒茶色のカスの取り方や、酸素系漂白剤や塩素系漂白剤を用いた掃除方法、さらに予防策について詳しく解説します。
洗濯槽の黒茶色いカスの取り方:部品の掃除から始めよう
洗濯槽の掃除には漂白剤が有効ですが、その前に洗濯機本体に取り付けられている部品の掃除が必要です。
具体的には、ゴミ取りネットや柔軟剤投入口のチェックが重要です。
ゴミ取りネットや柔軟剤投入口は、汚れが溜まりやすい部分です。
歯ブラシや雑巾を使って、これらの部品の汚れをしっかり取り除きましょう。
ゴミ取りネットの部品はぬるま湯に浸し、歯ブラシで擦って汚れを落とします。
汚れがひどい場合は、後述する酵素系漂白剤に浸けると良いでしょう。
柔軟剤投入口には、ホコリとともに柔軟剤の残留物が固まっていることがあります。
雑巾で拭いても取れない場合は、お湯で溶かしてから取り除きましょう。
さらに、洗濯機のふたの裏側も見落としがちです。
こちらも歯ブラシや雑巾でしっかり掃除しましょう。
洗濯槽の黒茶色いカスを漂白剤で掃除する方法
洗濯槽の掃除には酸素系漂白剤が推奨されます。
酸素系漂白剤は発泡作用で汚れを浮かせ、洗濯槽をきれいにします。
酸素系漂白剤は過炭酸ナトリウムとも呼ばれることがあります。
ここでは、酸素系漂白剤を使用した掃除方法と、塩素系漂白剤を使用した方法を紹介します。
酸素系漂白剤による掃除手順
酸素系漂白剤の使用量は、約500gを目安にすると良いでしょう。
まずは、酸素系漂白剤がしっかりと溶けるようにお湯を準備します。
水よりもお湯の方が発泡しやすく、効果が高まります。
お風呂の残り湯を使うこともできます。
その場合、追い焚きで温度を45℃~50℃程度に調整してください。
通常の洗濯機の水を使う際は、お湯を追加して調整するのが良いでしょう。
洗濯槽内の糸くずフィルターは、この段階で取り外しておきます。
- 洗濯機の電源を入れ、酸素系漂白剤を投入します。
- 準備したお湯を洗濯槽に注ぎます。
- お湯が高水位まで到達したら、洗濯モードで約5分間運転し、内部を混ぜます。
- 泡が発泡し、黒茶色のカスが浮いてきたら、一時停止してカスを取り除きます。
- そのまま排水せずに、3時間から一晩放置します。
- 再度「洗い」モードで運転し、カスを取り除きます。
- 洗濯モードを繰り返して、洗濯槽がきれいになるまで続けます。
最後に、糸くずフィルターを取り付けて、通常の洗濯モードで運転させます。
すすぎも十分に行ってください。
何度も繰り返すのが面倒な方は、「毛布・大物洗いコース」で槽洗浄を試してみるのも良いでしょう。
このコースは、内槽を大きく回転させることで、外槽に隠れたカビも取り除く効果があります。
塩素系漂白剤による掃除手順
酸素系漂白剤で効果が見られない場合には、塩素系漂白剤を試してみましょう。
最適なのは洗濯機のメーカーが推奨する洗濯槽クリーナーを使用することです。
推奨クリーナーがない場合は、「洗たく槽カビキラー」などの製品を使用するのが良いでしょう。
塩素系漂白剤は強力ですが、取り扱いには注意が必要です。
- まず、高水位に水を溜めた後、洗濯を開始します。
- 製品の指示に従い、規定量の塩素系漂白剤を洗濯槽に投入します。
- その後、洗濯機を運転させます。
この手順で掃除は完了します。
洗濯コースは「標準」で問題ありませんが、「槽洗浄コース」があれば、そちらを選択するのが良いでしょう。
塩素系漂白剤には浸け置きの必要がなく、洗濯コースが終了すれば掃除が完了します。
洗濯機が止まったら、ふたを開けて洗濯槽を乾燥させてください。
塩素系漂白剤は洗濯機を傷める可能性があるため、ニオイが気になる場合は使用を控えることをお勧めします。
私自身も「洗たく槽カビキラー」を何度か使用したことがありますが、使用後に若干のツンとした匂いを感じることがありました。
しかし、その匂いはすぐに気にならない程度に収まりました。
酸素系漂白剤はカビを剥がして浮かせるため掃除している実感がありますが、塩素系漂白剤はカビを溶かすため、浮かぶことはありません。
重曹で洗濯槽のワカメや茶色いカスを掃除する方法
重曹は掃除において非常に頼りになるアイテムです。
台所や床掃除でも重曹を使うことで、しっかりと清掃が可能です。
この重曹は洗濯槽の掃除にも効果的で、洗濯物から出る皮脂などが蓄積された洗濯槽に対して、優れた消臭効果を発揮します。
ただし、前述の漂白剤やクリーナーに比べると洗浄力はやや劣るため、複数回の使用が必要です。
重曹を使った掃除手順
まず、ゴミ取りネットを取り外し、洗濯槽に45℃~50℃のお湯を満たします。
ゴミ取りネットをそのままにしておくと、掃除中にゴミがネットに溜まりやすく、すぐにいっぱいになってしまうため、外しておきましょう。
次に、約200gの重曹を洗濯槽に直接投入し、「標準コース」で洗濯機を運転させます。
洗いが終わったら、排水される前に洗濯機を停止し、その状態で洗濯槽に水を貯めたまま5~6時間放置します。
時間が経つと汚れが浮かんでくるので、ネットなどで取り除きます。
再度洗濯機を運転させ、浮かんできた汚れをネットなどで取り除きます。
その後、排水を行い、新たに水を満タンにしてすすぎを行います。
汚れを見つけるたびに取り除きましょう。
すすぎと排水を2~3回繰り返して終了です。
終了後は洗濯機のフタを開け、乾燥させてください。
重曹は環境に優しいですが、手間と時間がかかる点が少し難点です。
洗濯槽のワカメや茶色いカスの正体と発生原因
洗濯機の内部や洗濯物に見られるワカメ状の物質は、一般的に「ピロピロワカメ」と呼ばれています。
これが実際には何なのかを説明しますと、実はこれらは黒カビです。
黒カビは湿度や温度が高い環境を好みます。
洗濯槽では水やお湯を使用し、ふたを閉じることで内部が湿気を帯びて蒸れた状態になります。
このような高湿度の条件が黒カビの発生を促進します。
また、洗剤や石鹸の残り、洗濯物から出る汚れや皮脂が黒カビの栄養源となります。
これらの残留物が洗濯槽の裏側にこびりつくことで、黒カビの繁殖が助長されます。
黒カビが発生すると、洗濯機を運転するたびに一部が剥がれてワカメのように浮かんできます。
これが洗濯槽にワカメが浮かぶ原因です。
洗濯機内は湿度が高く、黒カビが繁殖しやすい環境です。
カビが取りきれないと掃除を諦めがちですが、しっかりと掃除を行うことが重要です。
洗濯槽のワカメを予防するための対策
洗濯槽にワカメが発生するのを防ぐための方法を以下にまとめました。
- 洗濯機のふたを開けておく 黒カビは湿度が高い場所を好んで繁殖します。洗濯が終わった後は、洗濯機のふたを開けて内部の湿気を外に逃がすようにしましょう。ふたを閉じたままだと湿気がこもり、カビの発生を促進します。
- 洗濯槽を洗濯カゴとして使用しない 汚れた衣類を洗濯槽に直接入れると、洗濯槽に汚れが付着し、それがカビの栄養源になります。カビは汚れを元に繁殖しやすくなるため、汚れた衣類は専用の洗濯かごに入れるようにしましょう。
- 濡れた洗濯物を放置しない 濡れた洗濯物を長時間放置すると、湿気がこもりカビが繁殖しやすくなります。洗濯物は洗濯後、できるだけ早く干しましょう。
- 洗濯槽を週に一度乾燥させる 洗濯機内の湿気を取り除くことでカビの繁殖を防ぎます。週に一回は洗濯槽を乾燥させる習慣をつけましょう。
- お風呂の残り湯は使わない 入浴後の残り湯には皮脂汚れが多く含まれており、これがカビの発生を促進します。できるだけ新しい水を使用するようにしましょう。
- 洗剤の量は適量にする 洗剤を多く使いすぎると、溶け残りが洗濯槽に付着し、それがカビの原因になります。洗剤は適量を守りましょう。
- すすぎは2回行う すすぎが1回だと洗剤が完全に溶けず、洗濯槽に残ることがあります。すすぎは2回行い、洗剤残りを防ぎましょう。
これらの対策には水道代がかかることもありますが、黒カビの予防には非常に効果的です。
全てを毎回行う必要はありませんが、週に一度など、定期的に実践することで洗濯槽の状態を良好に保つことができます。
まとめ
洗濯槽に浮かぶワカメの原因は黒カビです。
ワカメを取り除くには、酸素系漂白剤を使用して一晩かけて洗浄する方法が有効です。
それでも完全に取り切れない場合は、塩素系漂白剤の使用を検討するのが良いでしょう。
黒カビが洗濯槽に付着している限り、ワカメは発生し続けます。
清潔な洗濯物を保つためにも、時間があるときに洗濯槽をしっかりと洗浄して、気持ちよく使用しましょう。
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