お子さんが中学校へ進学すると、さまざまな出費が発生します。「実際にどれくらいお金を用意すればいいのだろう?」という不安をお持ちの保護者の方は多いのではないでしょうか。そこで本記事では、中学入学時の初期費用から3年間にかかる教育費まで、詳しく説明します。子どもの成長は嬉しいものですが、金銭的な備えも大切です。ぜひ参考にしてみてください。
中学入学の初期費用はどのくらいかかる?
国公立中学への入学に必要な費用は、通学先の学校によって幅があります。そのため、一概に「いくら」とは言いにくい面はありますが、おおまかな目安を紹介します。
中学入学で揃えるもの一覧
以下は、中学入学時に一般的に用意する品々です。学校ごとに違いがあるため、参考程度にご覧ください。
- 制服関連
・冬用(ブレザー、ズボン/スカート、シャツ/ブラウス×2枚)
・夏用(ブレザー、ズボン/スカート、シャツ/ブラウス×2枚)
・ベルト(女子は不要の場合あり)
・ベスト・セーター(必須でないことも) - 体育用品
・体操服(半袖上下×2セット)
・ジャージ(長袖上下×2セット)
・体育館シューズ
・水着(夏に買うことも) - その他必需品
・通学カバン
・通学靴
・上履き
・文房具 - 自転車通学の場合
・自転車
・ヘルメット
・レインコート
これらを全て新品で買うと、概ね10万円程度かかるといわれています。ただし、学ランやセーラー服のような制服は比較的安価な場合が多く、ブレザータイプの制服を採用している学校では、やや高めになる傾向があります。
さらに、ブレザーや靴、体操服などが「完全指定」となっている学校は費用が上がりやすいです。一方、「色だけ指定」や「自由購入可」のところであれば、通販やディスカウントショップを活用できるため、10万円以下で抑えられる可能性があります。逆に、全てが指定品の学校では10万円を超えるケースもあるでしょう。加えて、自転車は安い物なら1万円程度で買えますが、高機能なタイプだと5~10万円になることも珍しくありません。
出費を抑えるコツ
家計が苦しいときには、以下の方法で費用を削減できます。
- PTAのリサイクルバザーを利用する(制服や体操服などを格安または無料で入手できる場合あり)
- 先輩保護者から中古の制服を譲り受ける
- 制服を安価で販売する専門店を探す
これらの情報は学校や上級生の保護者に尋ねると得やすいです。
入学準備はいつからスタートするべき?
国公立中学の場合、1月下旬から2月頃に開催される「中学入学説明会」で必要な物品リストが配布されるため、早めに行動しなくても問題ありません。説明会が終わってから準備しても、十分に間に合います。
説明会の連絡は、小学校で配布されるお便りや郵送で届くのが一般的です。心配な方は、小学校の担任に相談すると安心です。
小学校卒業式の服装も一緒に検討
中学入学準備と並行して、小学校の卒業式用の服装も考えておきましょう。中学の制服を購入する際に、小学校卒業式用のスーツを無料レンタルできる店舗も存在します。また、保護者の方は「卒業式と入学式」の両方で着まわせるスーツを1着用意しておくと効率的です。
中学3年間でかかる費用
入学時の出費だけではなく、3年間を通じて発生する費用についても理解しておく必要があります。
毎月の基礎的な支出(例)
- 学校納付金(給食費、PTA費、教材費):約13,000円
- 学資保険:1,000~1,500円
- 習い事:5,000~10,000円
- お小遣い:1,000~3,000円
- 携帯電話:約5,000円
- 衣類:約2,000円
これらを合計すると、月2~3万円はかかり、年間で24~40万円、3年間でおよそ70~120万円ほどの出費になります。さらに、中学生になると食事量が増えるため、食費にも月2,000円程度の上乗せが見込まれます。特に部活動をする男子生徒の場合、食費の増加が顕著になるでしょう。
部活動に必要な費用
多くの中学生は部活動を選択します。運動部などに入ると準備物が増え、費用がかさむこともあります。以下は運動部の場合の初期費用の一例です。
運動部の初期費用(目安)
- 部活用具
- ユニフォーム
- 専用シューズ
- ウィンドブレーカー
- 専用バッグ
一通り揃えるだけで3~5万円程度必要です。部活によっては特定のウィンドブレーカーやジャージが指定されることもあり、そのような場合は10万円近くかかる例もまれにあります。
継続的に必要となる部活関連の出費
- 合宿費(年1回ほど)
- 飲料代
- 用具の買い替え
- 試合や遠征時の交通費
さらに、大会出場に積極的な部活や実力の高い生徒が全国大会へ進むようなケースでは、遠征費が増大することもあります。自治体や学校が補助を出す場合もありますが、保護者が応援に行く場合の旅費は自己負担となる点に留意してください。
中学生の学習費用:塾や家庭教師の相場
中学生になると、高校受験を視野に入れて学習塾や家庭教師などを利用することが多くなります。以下では代表的な学習サービスの費用目安をまとめました。
通信教育の費用
- 月額の学習費:5,000~10,000円(年間6~12万円程度)
通信教育は、入会金が不要な場合が多く、月謝も比較的安定しています。ただし、学年が進むにつれ料金が上がるケースもあるため、事前に資料請求して確認しましょう。
学習塾の費用
1・2年生の費用
- 授業料:月5,000~26,000円(年間6~30万円ほど)
- 入会金:10,000~20,000円
- 教材費:年間約15,000円
- その他経費:年間約30,000円(無料の塾もあり)
3年生の追加出費
- 季節講習費:1回あたり30,000円×夏・秋・冬期
- 受験対策費:約30,000円
有名塾で5教科を週5日受講する場合、年間30~50万円かかることもあります。一方、小規模な個人塾で2教科を週2回程度なら、年間10~15万円ほどに抑えられる場合も。加えて、3年生になると季節講習や特別対策が追加されることが多く、受講すると1・2年生の費用にさらに10~20万円ほど上乗せされる点を考慮しておきましょう。
家庭教師・個別指導塾の費用
- 授業料:1時間あたり2,000~3,000円
- 入会金:20,000~40,000円
- 教材費:年間15,000~50,000円
- 交通費:家庭教師の場合は別途負担
東大や早慶出身のプロ講師の場合、1時間8,000~10,000円という高額なケースもあります。例えば、1回2時間の授業を週2回受けると、月に32,000~48,000円となり、年間40~70万円に達します。一方、1回90分・週1回程度なら年間20~30万円ほどに抑えられることもあります。
個別指導は費用面では集団塾や通信教育より高くなりがちですが、生徒ごとのレベルや性格に合わせたサポートが可能です。どの学習方法が向いているかは、子どもの個性や学習スタイルを見極めた上で決めることが重要となります。
まとめ:中学入学と3年間の合計費用
中学入学時の準備費用は学校や環境で異なりますが、一般的には10万円前後で対応可能といわれています。自転車通学や部活動の道具を含める場合は、合計で20万円ほどを見積もっておくと安心です。
また、中学3年間の基本的な支出だけでも70~120万円が必要となり、塾や部活動の費用が加わるとさらに増加します。一度に多額の出費が発生すると負担に感じがちですが、高校や大学入学時にはより大きな費用がかかる点を考慮し、これを機に家計や教育費を見直してみるのも良いでしょう。
計画的に教育費の準備を進めることで、子どもの成長を経済面でも安心してサポートできるようになります。
コメント