カシューナッツの育て方と栄養成分

カシューナッツは、晩酌のおつまみやおやつ、中華料理など幅広く使われる人気のナッツです。

しかし、カシューナッツの苗や種を見かけることは少ないですよね。

ここでは、カシューナッツの育て方や苗や種の入手方法、栄養成分や美容効果について解説します。

カシューナッツの育て方

カシューナッツは香ばしくてクセがなく、おつまみやサラダのトッピング、炒め物などさまざまな料理に使われます。

そんなカシューナッツの育て方を調べてみました。

カシューナッツはベランダ栽培できない?

曲線が特徴的なカシューナッツ、どのように実るかご存知ですか?

実は木に実るのです!

私もこの記事を書くまで、落花生やジャガイモのように土の中にできるものだと思っていました。

カシューナッツが取れるカシューは海外原産の植物ですが、日本でも育てることが可能です。

しかし、常緑高木で大きく成長するため、ベランダ栽培には適していません。

広い場所で育てる場合でも、毎年定期的な剪定を行い、成長しすぎた枝を手入れする必要があります。

カシューナッツの育て方

カシューナッツは中南米原産の植物で、カシュー果実の種子に入っている部分です。

ひまわりや梅干しの種を割ると中に白い実が入っていますよね。

あの部分です。

育てるには原産地に近い気温、20度以上が適温とされ、10度を下回ると成長が遅くなり、5度を切るとカシュー自体が壊死するため注意が必要です。

土は赤玉土と完熟腐葉土を混ぜたものを使用し、pH6.5が目安です。

種から発芽までの手順

  1. 種を水に入れて、丸1日常温で保管します。
  2. 適当な大きさの植木鉢を用意し、種まき用の柔らかい土に2cm程度の深さで埋めます。
  3. 発芽するまでは土の表面が湿った状態を保ち、約1~4週間で芽が出ます。
  4. 苗の高さが10cm程度に育ったら、大きめの植木鉢に移し替え、高さが20cm程度になるまでは室内で管理します。

高さ20cmまで育った後

さらに大きくて深めの植木鉢に移し替えます。

日光を一日6時間程度浴びせる必要があるので、日当たりの良い場所に置いてください。

初期の開花までには約3年かかり、その間は毎年一回り大きい植木鉢に移し替える必要があります。

水やりは土が乾いたときに行い、受け皿に水を溜めるのは避けてください。

肥料は5月と9月に魚粉を与えます。

カシューの木は上に向かって成長し、枝も伸びてくるため、適度に剪定を行いましょう。

アブラムシやカミキリムシなどの病害虫にも注意が必要で、幹に木くずが落ちていないか、穴が開いていないか定期的にチェックしてください。

カシューナッツの特徴

カシューナッツは中南米原産で、ウルシ科カシューナット属の常緑高木です。

そのため、湿気や寒さに弱く、適度に雨が降る熱帯や亜熱帯の地域を好みます。

現地では11月から3月にかけて花が咲き、乾季に開花します。

開花後は約2~3ヶ月で実をつけ、完熟します。

日本では4月下旬から5月頃に開花することが多いです。

カシューの苗や種子の入手方法

カシューナッツの苗や種子は、在庫があれば園芸店で購入可能です。

また、ITANSEやマルシェ青空などの通信販売でも取り扱っています。

しかし、調査したところ、苗も種も取り扱っている園芸店は少なく、次の入荷時期も不明です。

参考価格として、種は約2,500円/5粒から、苗は約6,800円からです。

カシューナッツの栄養成分や実について

カシューナッツは「カシューアップル」と呼ばれる果実の種子内にある「仁(じん)」の部分です。

しかし、カシューアップルを実際に見たことがある人は少ないかもしれません。

カシューアップルは鮮やかなビタミンカラーを持ち、洋ナシのような形をしています。

種子はカシューアップルの下に縦にぶら下がっています。

ここではカシューナッツの栄養成分について説明します。

カシューナッツの栄養成分

一般に「カシューナッツ」と呼ばれるのは種子内の「仁」です。

この仁には、植物が発芽するために必要な栄養が詰まっており、他の部分よりも栄養価が高いです。

カシューナッツには、たんぱく質、ビタミンB1、ビタミンK、オレイン酸、葉酸、亜鉛などが含まれています。

これらの成分は、アンチエイジングや肌のターンオーバーなど、美容効果が期待されます。

栄養分はたらき
たんぱく質筋肉や臓器、皮膚の構成やホルモン、酵素の調整を行う。
ビタミンB1疲労回復に役立つ。
ビタミンK血を固めて出血を抑え、骨の健康を維持する。
オレイン酸悪玉コレステロールを下げ、抗酸化作用でアンチエイジング効果をもたらす。
葉酸赤血球の生産を助け、貧血を予防。妊娠初期に摂取することで胎児の発育をサポートする。
亜鉛味蕾細胞を作り、味覚を維持。肌のターンオーバーを助け、こまめな摂取が必要。

カシューナッツのカロリーや摂取量

栄養豊富なカシューナッツですが、飽和脂肪酸も多く含まれているため、過剰摂取は肥満の原因となります。

一日の適量は10粒(15g)で約90kcal、バナナ1本分のカロリーに相当します。

カシューアップルは食べられる?

カシューアップルは日本ではあまり見かけませんが、ベトナムやインドなどでは食用とされています。

熟した桃のような食感で、南国系フルーツの甘さに苦みや渋みが加わった独特の味わいが特徴です。

品種によって形や色が異なり、黄色のものはやや細長く、赤色のものは横に太い形をしています。

完熟したカシューアップルの皮は非常に薄く傷みやすいため、生産地で消費されることが多いです。

海外では、生果のほか、ジャム、チャツネ、ジュースなどに加工されます。

日本では楽天市場でカシュージュースを購入できます。

渋みや苦みが苦手な方は、リンゴジュースとブレンドすると飲みやすくなります。

カシューナッツは生で食べると毒がある?!

カシューナッツは生の状態では、カルドールやアナカルディウム酸、アミグダリンなどの有毒成分を含んでおり、摂取するのは危険です。

生のカシュー種子や生カシューナッツを手に入れても、決してそのまま食べないでください。

カシューはウルシ科の樹木であり、種子の殻には「ウルシオール」という、触れるとかぶれる成分が多く含まれているため注意が必要です。

これらの有害成分は、高温で加熱処理し、除去することで安全に食べられるようになります。

日本で市販されている食用カシューナッツは、天日干し後、加熱乾燥され、さらにドライローストされているため、安全です。

まとめ

ポイント

カシューナッツが生るカシューの木は常緑高木であるため、ベランダ栽培には適していません。

中南米原産の植物であり、育成には20度以上の気温が必要です。

カシューナッツはカシュー種子の「仁」にあたる部分で、たんぱく質やビタミンB1、ビタミンK、オレイン酸、葉酸、亜鉛などの栄養素が豊富に含まれています。

しかし、生のカシューナッツにはカルドールやアナカルディウム酸、アミグダリンなどの毒物が含まれており、生食は危険です。

日本で市販されているカシューナッツは、加熱乾燥後にドライローストされており、安全に食べることができます。

間食としての摂取量は、一日10粒(15g)が目安です。

カシューナッツについて、栄養成分や間食としての摂取量、育て方などを紹介しました。

海外原産の植物であるため、温度管理や水分量の調整など、細かい配慮が必要で、自宅での栽培は難しいかもしれません。

しかし、食材としてのカシューナッツは、スーパーやコンビニなどで手軽に購入できます。

おいしくて栄養価の高いカシューナッツを、ぜひ日常の食生活に取り入れてください。