eMMCとSSDの違いとは?選び方とそれぞれのメリット・デメリット解説

この記事では、eMMCストレージの特性と、SSDとの違いについて詳しく解説します。

最近、ノートパソコンで「eMMC」という名前をよく見かけるようになりましたが、eMMCはHDDやSSDとは異なる特性を持つストレージの一種です。

選択する際には、その特性をしっかり理解することが重要です。

eMMCを購入する際には、その欠点についてもよく知っておくことが大切です。

この記事では、eMMCの利点と欠点、さらにSSDとの違いについて説明します。

eMMC(embedded MultiMediaCard)とは?

eMMCとは、フラッシュメモリを基盤としたストレージの一形態です。

主にモバイルノートパソコンで多く使われており、フラッシュメモリはデータの保存と読み書きが可能な記憶媒体です。

電源を切ってもデータが消失せず、迅速なデータ消去が可能なため、「フラッシュメモリ」と呼ばれています。

日本では「埋め込み型マルチメディアカード」とも呼ばれており、コンパクトで消費電力が少ないため、安価なモバイルPCやタブレットに多く使用されています。

SSDもフラッシュメモリを使用しているため似た点が多いですが、eMMCはSSDよりも読み書き速度が遅く、性能を重視する場合には不満が残ることがあります。

後ほど詳しく説明しますが、eMMCよりもSSDを推奨します。

SSDの方が全般的に優れていると言えるでしょう。

eMMCの利点と欠点

SSDとの違いを利点と欠点に分けて紹介します。

利点

  • コストが低い
  • 消費電力が少ない
  • コンパクトに設計できる

欠点

  • 読み書き速度が遅い(HDDよりは速いがSSDには劣る)
  • 基板に埋め込まれているため、SSDやHDDに交換できない

サイズ

eMMCの最大の魅力は、そのコンパクトさです。

これはeMMCの主要な特徴であり、大きな利点です。

SSDよりも小型であるため、モバイルノートパソコンだけでなく、タブレットやスマートフォンにも広く使用されています。

しかし、パソコンでは十分なスペースが確保できるため、eMMCのコンパクトさはそれほど大きな利点とは言えないかもしれません。

ストレージ容量

eMMCストレージの最大容量は128GBですが、実際には32GBや64GBが一般的です。

現在のテクノロジーを考えると、この容量は決して十分とは言えません。

スマートフォンではまだ使える容量かもしれませんが、ノートパソコンにおいては容量が不足することが多いです。

eMMCを搭載した機器のストレージ容量を増やしたい場合、外部ストレージやクラウドサービスの利用が必要となり、これが大きな欠点です。

データ転送速度

eMMCのデータ転送速度はSSDには到底及びませんが、HDDよりは速いため、HDDからの移行であれば、PCやアプリの起動がスムーズになります。

しかし、SSDからeMMCに切り替えた場合は、転送速度が遅くなることを覚えておく必要があります。

エネルギー消費

eMMCはSSDやHDDよりも消費電力が少なく、省エネルギー性能に優れています。

消費電力が少ないため、省電力性能は大きな利点となります。

特に、大容量のバッテリーが搭載できないスマートフォンに最適です。

ノートパソコンでも省電力は重要ですが、他の欠点を考慮すると、SSDの方がよりおすすめです。

結論:eMMCとSSD、どちらを選ぶべきか?

性能を最優先するのであれば、SSDを選ぶのが最適です。

私としては、SSD搭載モデルを強く推奨します。

SSDは容量不足の際に後から追加できる上に、パフォーマンスも高いため、長期的に見ても安心です。

一方、eMMCは基盤に直接埋め込まれているため、SSDのように交換することができません。

この交換不可という点が、eMMCの大きな欠点の一つです。

速度や容量の面でもSSDの方が優れており、性能面ではSSDに軍配が上がります。

ただし、PCの性能やデータ転送速度は単にストレージの規格だけで決まるものではありません。

OSやインターフェースの互換性、さらにはCPUやGPUとのバランスも重要な要素です。

ですので、一概にeMMCが劣っているとは言い切れません。

例えば、軽い作業やウェブブラウジング専用のPCであれば、eMMCでも十分なパフォーマンスを発揮し、コストも抑えられます。

また、eMMC搭載のPCをサブ機として利用するのも有効な手段です。

持ち運びに便利な小型PCを選ぶ際には、eMMC搭載モデルも検討する価値があります。

まとめ

eMMCには、小型化や省電力といった利点がある一方で、SSDの方が全体的に優れています。

eMMCの欠点があまりにも大きいため、SSDの方が推奨されることが多いです。

また、SSDの価格も徐々に下がってきており、価格差が縮まるにつれて、SSDの選択肢がより一層増えていく傾向があります。