夕食に作りすぎたチャーハン、翌日のお弁当に使いたいけれど安全に保存できるの?冷蔵庫に入れておけば大丈夫?そんな疑問を持ったことはありませんか?
チャーハンは家庭で人気の料理ですが、残ったものを適切に保存しないと食中毒のリスクがあります。この記事では、チャーハンを安全においしく保存するための科学的な根拠に基づいたアドバイスをご紹介します。
チャーハンを冷蔵保存する際の適切な温度や期間、再加熱の方法、そして万が一の対処法まで、食品衛生の観点から詳しく解説していきます。この記事を参考にすれば、余ったチャーハンを安心して楽しむことができますよ。
チャーハンを冷蔵保存しても安全?推奨保存期間は?
結論から言うと、チャーハンは適切な方法で冷蔵保存すれば1~2日間は安全に保存できます。ただし、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。
厚生労働省「食品の安全な手引き」から見る日数目安
厚生労働省の「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」によると、調理済み食品は冷蔵庫(10℃以下、できれば4℃以下)で保存し、早めに食べることが推奨されています。特に米飯類(チャーハンを含む)については、調理後の保存は以下の点に注意が必要です。
- 冷蔵保存(4℃以下):1~2日以内に消費するのが望ましい
- 常温保存:夏場は特に危険で、細菌が急速に増殖するため避けるべき
参考:厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」2023年版 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049964.html
チャーハンに含まれる卵や肉類は特に傷みやすいため、保存期間は短めに考えるのが安全です。冷蔵庫内でも細菌の増殖は完全には止まらず、緩やかに進行していることを覚えておきましょう。
冷蔵庫の設定温度4℃以下を維持する理由
なぜ冷蔵庫の温度を4℃以下に保つことが重要なのでしょうか?科学的な根拠を見ていきましょう。
食中毒菌の多くは5℃~60℃の範囲で増殖します。特に20℃~50℃の「危険温度帯」では急速に増殖します。4℃以下に保つことで、多くの病原菌の増殖を抑制または遅らせることができるのです。
- 4℃以下:多くの食中毒菌の増殖が遅くなる、または停止する温度
- 10℃:一部の食中毒菌が増殖を始める温度
- 20℃以上:多くの食中毒菌が活発に増殖する温度帯
冷蔵庫の温度計で定期的に確認し、適切な温度が保たれているかチェックすることをお勧めします。また、冷蔵庫の詰めすぎは冷気の循環を妨げ、温度が上昇する原因になるので注意しましょう。
冷蔵庫の温度チェックのコツ
家庭用の冷蔵庫温度計を使うと簡単に温度管理ができます。温度計は冷蔵庫の中段に置くと、庫内の平均的な温度を測定できますよ。また、ドアの開閉を頻繁に行うと庫内温度が上昇するため、必要なものをまとめて取り出す習慣をつけると効果的です。
ご飯料理特有のリスク菌と増殖条件
チャーハンなどのご飯料理には特に注意すべき食中毒菌があります。代表的なのが「セレウス菌」です。
セレウス菌は土壌中に広く存在し、米や穀類に付着していることがあります。この菌は熱に強い芽胞(胞子)を形成し、通常の炊飯では完全に死滅しないことがあります。常温や温かい状態で保存されたご飯の中で増殖し、毒素を産生して食中毒を引き起こす可能性があります。
セレウス菌による食中毒の特徴:
- 潜伏期間:30分~6時間程度
- 症状:嘔吐や下痢、腹痛など
- 増殖しやすい条件:10℃~50℃の温度帯、特に30℃前後で活発に増殖
このリスクを軽減するためには、チャーハンを調理後速やかに冷却し、4℃以下で保存することが重要です。また、再加熱する際は中心部まで十分に加熱して菌を死滅させることも大切です。
参考:食品安全委員会「セレウス菌による食中毒」2022年版 https://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_bacillus_cereus.pdf
粗熱の取り方は?保存前に何分冷ませば安心?
チャーハンを安全に保存するためには、調理後の「粗熱取り」が非常に重要です。熱いままでタッパーなどに入れて冷蔵庫に入れると、庫内の温度が上昇し、他の食品にも悪影響を与えてしまいます。
急冷が必要な理由とベストなタイミング
調理したチャーハンを急速に冷却する理由は主に2つあります:
- 細菌の増殖を防ぐため:調理後のチャーハンが20℃~50℃の「危険温度帯」に長時間置かれると、食中毒菌が急速に増殖します。
- 冷蔵庫内の温度上昇を防ぐため:熱い食品を入れると冷蔵庫内の温度が上昇し、他の食品の安全性にも影響します。
食品衛生の観点から、調理したチャーハンは2時間以内に60℃から20℃以下に冷却し、さらにその後2時間以内に4℃以下にすることが推奨されています。
一般的な目安としては、室温で15~30分程度で粗熱を取り、その後冷蔵庫に入れるとよいでしょう。ただし、夏場の高温環境では10~15分程度にとどめ、早めに冷蔵庫に入れることをお勧めします。
バット+扇風機で簡単に温度を下げる方法
チャーハンを速やかに冷却するには、以下の方法が効果的です:
- 浅いバットやお皿に薄く広げる:表面積を大きくすることで熱が逃げやすくなります。
- 扇風機などで風を当てる:対流を促進し、冷却速度を上げます。
- 時々かき混ぜる:均一に冷えるようにします。
特に夏場は、冷却時間を短縮するためにこの方法が効果的です。ただし、室温に長時間放置することは避け、適度に冷えたら速やかに密閉容器に移し、冷蔵庫で保存しましょう。
時短テクニック
急いでいる場合は、清潔な金属製のボウルにチャーハンを移し、そのボウルを氷水を入れたより大きなボウルの中に置く「水浴法」も効果的です。金属は熱伝導率が高いため、熱を素早く逃がします。この方法なら10分程度で粗熱を取ることができます。
粗熱を取りすぎないほうが良いケース
基本的には粗熱を十分に取ることが重要ですが、以下のような場合は粗熱を取りすぎないほうが良いこともあります:
- すぐに冷凍保存する場合:少し温かいうちに小分けにして急速冷凍すると、風味が保たれることがあります。
- すぐに食べる予定がある場合:1日以内に食べる場合は、必要以上に冷やしすぎると風味が落ちることがあります。
ただし、いずれの場合も室温で2時間以上放置することは避け、食品安全の基本ルールを守ることが前提です。特に夏場は細菌の増殖が速いため、冷却は素早く行いましょう。
保存容器はどう選ぶ?浅型と深型どちらが最適?
チャーハンを安全においしく保存するためには、適切な容器選びも重要です。形状や素材によって冷却速度や保存効果が変わってきます。
金属トレーで素早く冷えるメリット
金属製の容器やトレーには、以下のような利点があります:
- 熱伝導率が高い:熱を素早く逃がし、冷却時間を短縮できます。
- 均一に冷える:熱が均等に逃げるため、部分的な温度差が生じにくい。
- 衛生的:表面が滑らかで洗いやすく、菌が繁殖しにくい。
粗熱取りの段階では、ステンレスやアルミニウム製のバットを使用するのが効果的です。ただし、長期保存用としては、金属製容器は臭いを吸収したり、他の食品に臭いを移したりする可能性があるため、冷却後にプラスチック製や密閉性の高い容器に移し替えることをお勧めします。
密閉タッパーの選び方とパッキン確認
冷蔵保存する際は、以下のポイントを押さえた密閉容器を選びましょう:
- 浅型を選ぶ:深型よりも浅型の方が中心部まで均一に冷えやすく、再加熱も均一になります。目安としては高さ5cm以下の容器が理想的です。
- 密閉性を確認:パッキンの状態をチェックし、古くなったり変形したりしていないか確認しましょう。
- 食品用グレードの素材:食品保存用に作られた安全な素材の容器を使用しましょう。
- 電子レンジ対応:再加熱することを考慮して、電子レンジに対応した容器を選ぶと便利です。
容器のサイズは、保存するチャーハンの量に合わせて選びましょう。容器に対して食品の量が少なすぎると、空気が多く残り酸化が進みやすくなります。8~9分目まで詰めるのが理想的です。
ラップ包みと保存袋を併用するテクニック
適切な容器がない場合や、小分けにして保存したい場合は、ラップと保存袋を併用する方法も効果的です:
- チャーハンの粗熱を取った後、一人前ごとにラップで包む。
- 空気をできるだけ抜きながら平たく成形する。
- ラップで包んだものをさらにジッパー付き保存袋に入れる。
- 保存袋の空気をしっかり抜いて密閉する。
この方法には以下のメリットがあります:
- 小分け保存:必要な分だけ取り出せるので、残りの食品の品質を保てます。
- スペース効率:平たく成形することで冷蔵庫のスペースを有効活用できます。
- 二重包装効果:ニオイ移りや乾燥を防ぎ、品質を保ちやすくなります。
注意点
ラップや保存袋を使用する場合も、必ず粗熱を取ってから包むようにしてください。熱いままラップすると、水蒸気で結露が発生し、細菌の増殖を促進する可能性があります。また、プラスチック素材が熱で変形したり、有害物質が溶出したりする恐れもあります。
再加熱の中心温度は?おすすめの加熱方法は?
冷蔵保存したチャーハンを食べる際は、適切な再加熱が重要です。単においしさを取り戻すだけでなく、安全性を確保するためにも正しい温度まで加熱する必要があります。
75℃以上を確実にキープするレンジ加熱手順
食品衛生法の指針によると、加熱調理食品は中心部が75℃で1分間以上加熱することが安全性を確保するための基準とされています。冷蔵保存していたチャーハンを再加熱する際も、この基準を満たすことが重要です。
電子レンジでの効果的な再加熱手順:
- 均一に広げる:耐熱皿に薄く均一に広げて加熱ムラを防ぎます。
- 水分を補う:乾燥を防ぐために小さじ1程度の水を振りかけます。
- ラップをする:蒸気を逃がさないようにラップをし、一部に穴を開けます。
- 途中でかき混ぜる:500Wの場合、約2分加熱した後に一度かき混ぜて、さらに1~2分加熱します。
- 温度確認:可能であれば、温度計で中心部が75℃以上あることを確認します。
電子レンジの場合、出力や機種によって加熱時間が異なるため、ご自宅の電子レンジに合わせて調整してください。ただし、安全のために少し多めに加熱しておくことをお勧めします。
参考:厚生労働省「大量調理施設衛生管理マニュアル」2023年版 https://www.mhlw.go.jp/content/000425163.pdf
フライパン再加熱で香ばしさを保つコツ
電子レンジだけでなく、フライパンでの再加熱もおすすめです。特に香ばしさやパラパラ感を取り戻したい場合は効果的です。
フライパンでの再加熱手順:
- フライパンを中火で熱します。
- 少量の油(小さじ1程度)を入れます。
- 冷蔵保存していたチャーハンを入れ、木べらやフライ返しで底からほぐします。
- 全体が均一に温まるように、時々かき混ぜながら3~5分加熱します。
- 蓋をして30秒~1分蒸らすと、中心部まで十分に熱が通ります。
フライパン加熱の利点:
- 香ばしさの復活:焦げ目がつくことで、作りたての香ばしさが戻ります。
- 余分な水分の蒸発:冷蔵保存で生じた水分が蒸発し、パラパラ感が復活します。
- 風味の向上:少量の油で再加熱することで、風味が増します。
おいしさアップのコツ
再加熱時に少量のごま油(数滴程度)を加えると、香りが良くなり、より本格的な味わいが楽しめます。また、刻みネギやごまなどを最後に振りかけることで、見た目も味も格上げできますよ。
加熱ムラを防ぐかき混ぜポイント
再加熱時に大切なのは、均一に加熱することです。加熱ムラがあると、一部で細菌が生き残る可能性があります。
加熱ムラを防ぐポイント:
- 適切な量に分ける:一度に大量のチャーハンを加熱すると中心部まで熱が通りにくいため、適量ずつ加熱しましょう。
- かき混ぜるタイミング:電子レンジの場合は加熱の途中で、フライパンの場合は30秒~1分ごとにかき混ぜると効果的です。
- 端から中心へ:かき混ぜる際は、熱が均一に行き渡るよう、端の部分を中心に移動させるイメージでかき混ぜましょう。
- 全体を均一にほぐす:固まっている部分は小さくほぐして、熱の通りを良くします。
電子レンジで再加熱する場合、お皿の形状も重要です。平たいお皿に薄く広げると熱が均一に通りやすくなります。深い容器や丸く固めた状態だと、中心部が十分に加熱されないことがあるので注意しましょう。
常温放置は何分まで安全?うっかり対処法は?
調理したチャーハンを常温で放置してしまうことは、誰にでも起こりうることです。食品安全の観点から、常温放置の安全限界と対処法について見ていきましょう。
夏場と冬場で違う「安全ライン」を理解
常温放置の安全限界は、室温や季節によって大きく異なります:
- 夏場(室温25℃以上):1時間以内を目安にしましょう。高温多湿の環境では細菌の増殖が非常に速くなります。
- 冬場(室温15℃以下):2時間以内が一般的な目安です。ただし、暖房の効いた室内は夏場と同様に注意が必要です。
- 一般的な室温(20℃前後):食品衛生の国際的なガイドラインでは「2時間ルール」が採用されています。
これらの時間はあくまで最大限の目安であり、できるだけ早く冷蔵保存することが望ましいです。特にチャーハンには卵や肉などの傷みやすい食材が含まれていることが多いため、注意が必要です。
2時間ルールを守るシンプルタイマー活用
「2時間ルール」とは、調理した食品を室温(4℃~60℃の危険温度帯)に置いてよい最大時間は2時間までという国際的な食品安全の基準です。この時間を過ぎると、食中毒菌が危険なレベルまで増殖している可能性があります。
2時間ルールを守るためのシンプルな方法:
- キッチンタイマーの活用:調理完了時にタイマーをセットして、2時間以内に処理するよう意識しましょう。
- スマートフォンのアラーム機能:外出先でもアラームで通知を受けることができます。
- 調理時間をメモする:調理終了時間をメモしておけば、いつまでに冷蔵保存すべきか分かります。
特に複数の料理を同時に作っている場合や、来客時など忙しい状況では、タイマーの活用が効果的です。
注意点
一度常温で2時間以上放置してしまったチャーハンは、見た目や匂いに異常がなくても、安全のために廃棄することをお勧めします。食中毒菌が産生する毒素の中には、加熱しても分解されないものもあります。
温度計がなくても判断できる目安
専用の温度計がなくても、チャーハンの状態から安全性を判断するための目安があります:
- 見た目の変化:表面が乾燥していたり、油が分離していたりする場合は、長時間放置された可能性があります。
- 匂いの変化:酸っぱい匂いや異臭がする場合は、細菌が増殖している可能性が高いです。
- 触感の変化:べたつきが増したり、通常とは異なる粘りが出たりしている場合は注意が必要です。
「When in doubt, throw it out(疑わしい場合は捨てる)」という食品安全の原則を覚えておくとよいでしょう。健康リスクを考えると、少しでも怪しいと感じた食品は食べない方が安全です。
うっかり常温放置してしまった場合の対処法:
- 放置時間が1時間以内:速やかに冷蔵保存し、24時間以内に十分に再加熱して消費。
- 放置時間が1~2時間:冷蔵保存し、12時間以内に十分に再加熱して消費。
- 放置時間が2時間超:安全のために廃棄することをお勧めします。
参考:米国農務省(USDA)「Danger Zone」2023年版
https://www.fsis.usda.gov/food-safety/safe-food-handling-and-preparation/food-safety-basics/danger-zone-40f-140f
もっと長期保存したい!冷凍保存のベストプラクティスは?
チャーハンをより長期間保存したい場合は、冷凍保存がおすすめです。適切な方法で冷凍すれば、風味や食感をある程度保ちながら1~2ヶ月間保存することができます。
急速冷凍で品質を保つ手順
冷凍する際の品質劣化を最小限に抑えるためには、できるだけ急速に凍らせることが重要です。急速冷凍では、食品内の水分が小さな氷結晶を形成するため、解凍時の食感や風味の劣化が少なくなります。
急速冷凍の手順:
- チャーハンを十分に冷ましてから、一人前ずつ小分けにします。
- 平らな容器やラップを使って厚さ2~3cm程度の薄い層に広げます。
- 密閉容器やフリーザーバッグに入れ、できるだけ空気を抜きます。
- 冷凍庫の中でも特に温度の低い場所(奥の方や下段)に置きます。
- 他の冷凍食品と直接接触しないよう、隙間を空けて置きます。
家庭用冷凍庫での急速冷凍のコツ:
- 冷凍前の温度を下げる:冷蔵庫で十分に冷やしてから冷凍すると、冷凍速度が速くなります。
- アルミトレイの活用:金属は熱伝導率が高いため、アルミトレイに薄く広げて凍らせると効果的です。
- 冷凍庫の温度設定:可能であれば、冷凍前に冷凍庫の温度を最低設定にしておきます。
プロ級テクニック
チャーハンを冷凍する前に、少量のごま油(大さじ1/2程度)を全体に行き渡らせると、米粒同士がくっつきにくくなり、解凍後もパラパラ感が保たれやすくなります。また、冷凍によるパサつきも防げますよ。
1食分ずつ平らにして霜を防ぐパッキング
冷凍保存における最大の敵の一つは「霜」です。霜は食品の水分が蒸発して再凍結したもので、食品の乾燥や風味劣化の原因となります。これを防ぐためのパッキング方法を見ていきましょう。
霜を防ぐパッキングのポイント:
- 空気を徹底的に抜く:フリーザーバッグを使う場合は、ストローを使って空気を抜く、または水中に沈めて空気を押し出す方法が効果的です。
- 二重包装:ラップで包んだ後にフリーザーバッグに入れる二重包装が効果的です。
- 平らに成形:厚さ2~3cm程度の平たい形に成形すると、冷凍・解凍が均一に行われやすくなります。
- 1食分ずつ包装:必要な分だけ解凍できるよう、使用する量ごとに分けて包装します。
保存容器の選び方:
- フリーザー専用の保存容器:低温でも割れにくく、密閉性の高いものを選びましょう。
- ジッパー付きフリーザーバッグ:空気を抜きやすく、スペースを取らないのでおすすめです。
- アルミホイル:形を整えやすく、光を通さないため酸化を防ぐ効果もあります。
冷凍日と消費目安日を記載したラベルを貼っておくと、安全に管理できます。チャーハンの冷凍保存期間は1~2ヶ月を目安にしましょう。長期間保存すると、徐々に品質が劣化していきます。
解凍後にパラッと仕上げる再加熱テク
冷凍チャーハンを美味しく食べるポイントは、適切な解凍と再加熱方法にあります。特にパラパラ感を取り戻すための工夫が重要です。
解凍方法のオプション:
- 冷蔵解凍:前日から冷蔵庫に移して自然解凍します。最も安全ですが、時間がかかります(8~12時間程度)。
- 電子レンジ解凍:解凍モードを使用して少しずつ解かします。途中でかき混ぜると均一に解凍できます。
- 直接調理:小分けにして薄く冷凍している場合は、解凍せずに直接フライパンで調理することも可能です。
パラパラに仕上げる再加熱テクニック:
- フライパン仕上げ:電子レンジで解凍した後、フライパンで中火~強めの中火で手早く炒めると、余分な水分が飛んでパラパラ感が復活します。
- 油の追加:再加熱時に少量の油(大さじ1/2程度)を足すと、パラパラ感が増します。
- 高温短時間調理:フライパンを十分に熱してから一気に炒めることで、余分な水分を蒸発させつつ、食材が煮えることを防ぎます。
シェフ直伝のコツ
冷凍チャーハンを再加熱する際、フライパンに入れて炒める前に、具材と米を軽くほぐしておくと均一に熱が通ります。また、レンジで半解凍(500Wで2~3分)してからフライパンで仕上げると、ムラなく加熱できますよ。仕上げに少量のごま油を加えると、香りが復活します。
おいしさと栄養を両立!リメイクアイデアは?
冷蔵保存したチャーハンは、そのまま再加熱するだけでなく、別の料理にリメイクすることで新しい味わいと栄養バランスを楽しむことができます。以下にいくつかのリメイクアイデアをご紹介します。
チャーハンオムレツでタンパク質アップ
冷蔵チャーハンをオムレツにリメイクすることで、タンパク質を補給しつつ、新しい食感を楽しめます。
チャーハンオムレツの作り方:
- 卵2~3個をボウルに割り入れ、塩こしょう少々を加えて軽く混ぜます。
- フライパンに油を熱し、溶き卵の半量を流し入れて薄く広げます。
- 卵が半熟の状態で、温めたチャーハン(1人前)をのせます。
- 残りの溶き卵を上からかけ、蓋をして弱火~中火で2~3分加熱します。
- 卵が固まったら、オムレツの形に包み込みます。
- お好みでケチャップやソース、チーズをトッピングします。
栄養ポイント:
- タンパク質強化:卵を追加することで良質なタンパク質が摂取できます。
- ビタミンB群:卵に含まれるビタミンB群は、炭水化物の代謝を助けます。
- 満足感アップ:タンパク質と脂質が加わることで、満腹感が持続します。
このリメイクは、朝食や軽めのディナーにぴったりです。お子様にも喜ばれる一品になります。
スープチャーハンで水分とミネラル補給
冷蔵チャーハンをスープにアレンジすることで、水分補給とミネラル摂取ができるヘルシーな一品に変身します。
スープチャーハンの作り方:
- 鍋に水またはスープストック(鶏ガラスープなど)400mlを入れて沸騰させます。
- お好みの野菜(ニンジン、キャベツ、もやしなど)を加えて煮ます。
- 野菜が柔らかくなったら、冷蔵チャーハン(1人前)を加えます。
- 弱火で3~5分煮込み、塩、こしょう、醤油などで味を調えます。
- 仕上げにごま油を数滴垂らし、刻みネギを散らします。
栄養ポイント:
- 水分補給:スープで水分を補給できます。
- ミネラル補給:野菜から様々なミネラルを摂取できます。
- 消化がよい:スープ状にすることで胃への負担が軽減されます。
このリメイクは、風邪気味の時や消化が気になる時、また夏の暑い日の軽食としても最適です。
リゾット風アレンジで野菜をプラス
冷蔵チャーハンをリゾット風にアレンジすることで、クリーミーな食感と追加の野菜で栄養価をアップさせることができます。
リゾット風チャーハンの作り方:
- フライパンに少量のオリーブオイルを熱し、みじん切りのタマネギとニンニクを炒めます。
- 細かく切った野菜(ズッキーニ、ピーマン、マッシュルームなど)を加えて炒めます。
- 冷蔵チャーハン(1人前)を加え、全体を混ぜます。
- 牛乳または豆乳100mlを少しずつ加え、とろみがつくまで弱火~中火で煮込みます。
- お好みで粉チーズを加え、塩こしょうで味を調えます。
- 仕上げにパセリやバジルを散らします。
栄養ポイント:
- 食物繊維:追加の野菜で食物繊維が補給できます。
- カルシウム:牛乳や豆乳、チーズからカルシウムを摂取できます。
- 抗酸化物質:カラフルな野菜には様々な抗酸化物質が含まれています。
このリメイクは、一品で栄養バランスの良い食事になります。洋風の味付けで飽きずに楽しめるのも魅力です。
時短ポイント
これらのリメイクレシピは、基本的に10~15分程度で完成するので、忙しい朝や帰宅後の夕食にもぴったりです。また、冷蔵庫に残っている野菜や調味料を活用できるので、食材の無駄を減らすこともできますよ。
まとめ
チャーハンの安全な保存と再加熱について、ポイントをまとめました:
- 冷蔵保存期間:4℃以下で1~2日以内が目安です。
- 粗熱取り:室温で15~30分、夏場は10~15分程度が適切です。
- 保存容器:浅型の密閉容器が理想的で、金属トレーでの急冷が効果的です。
- 再加熱温度:中心温度75℃以上で1分間以上の加熱が安全です。
- 常温放置:基本的に2時間以内、夏場は1時間以内が安全ラインです。
- 冷凍保存:急速冷凍で1~2ヶ月間保存可能です。
チャーハンを含む調理済み食品は、適切な温度管理と保存方法を守ることで、安全においしく食べることができます。食中毒予防の基本は「つけない、増やさない、やっつける」です。調理後の速やかな冷却、適切な保存、そして十分な再加熱を心がけましょう。
また、余ったチャーハンは様々な料理にリメイクすることで、飽きずに栄養バランス良く楽しむことができます。ぜひお試しください!
参考:厚生労働省「食中毒予防の三原則」2023年版 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/index.html
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