今回は、小学校高学年のための読書感想文の書き方について解説します。
高学年になると、本選びに迷うことが多くなり、書き終わった後にただのあらすじ紹介になってしまうこともあるでしょう。
読書感想文の書き方とコツを学んで、宿題をスムーズに終わらせましょう。
【読書感想文の書き方】小学生高学年向け例文付き解説
基本構成
読書感想文の基本構成は次の通りです。
- 題名
- 書き出し
- 中盤
- 締めくくり
この構成に沿って書くとスムーズに進められます。
それぞれの項目に書くべき内容を簡単にまとめると以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
題名 | 読書感想文のタイトル |
書き出し | その本と出会ったきっかけと簡単なあらすじ |
中盤 | 印象に残った場面とその感想 |
締めくくり | その本を読む前と読んだ後の気持ちの変化 |
では、各項目について詳しく説明していきます。
タイトル・題名
学校から特定の題名の指定がない場合は、本のタイトルを含めたシンプルなものにしましょう。
特に凝ったものにする必要はありません。
あまりに個性的なタイトルを付けると、本文もそれに合わせて気合を入れなければならないと感じるかもしれません。
今回は『ばあちゃんとの最後の旅』という本を例にしてみます。
- 『ばあちゃんとの最後の旅』を読んで
- 私とばあちゃん
- もしもばあちゃんと旅をするなら
タイトルに迷ったら、その分を1行空けて名前を書いておきましょう。
逆に1行だけにすると「タイトルはこの文字数に収める」と決めることができます。
書き出し
書き出しでは、その本と出会ったきっかけや簡単なあらすじを書きます。
「この本なら書けそうだな」と感じて手に取った理由を書きましょう。
そのきっかけをそのまま書くと良いです。
無難な内容でも構いませんし、無理にカッコつける必要はありません。
なぜその本を手に取ったのか。
タイトルに惹かれたのか、それとも表紙の絵に惹かれたのか。
こういったことを書いていきましょう。
『ばあちゃんとの最後の旅』なら、次のように書き出せます。
ぼくはばあちゃんが大好きです。
でも、ばあちゃんと遠くに出かけたことがありません。
図書館でこの本を見たときに、きっと主人公とばあちゃんが楽しく旅をする話だと思い、借りることにしました。
このような内容で始めれば大丈夫です。
中盤
中盤では、読書感想文らしい感想を具体的に書いていきます。
読んでいて心に残った部分や、感動した場面について、自分の感じたことや考えたことを記述します。
また、その場面を自分の体験と重ね合わせても良いでしょう。
もし主人公と似た経験をしたことがあるなら、その出来事を詳しく書くことで文章が充実します。
例えば、『ばあちゃんとの最後の旅』には、主人公が両親に嘘をついて旅の計画を立てる場面があります。
この場面について、自分の実体験に結びつけて書いてみましょう。
ぼくも主人公と同じように、お母さんに嘘をついたことがあります。
それは、いつも行く公園にいるのらねこにおやつをあげたくて、「ノートを買うためのお金が欲しい」と言ってお金をもらったことです。
近くのコンビニでねこ用のおやつを買ってあげたら、ねこはとても喜んで食べてくれました。
人気のある読書感想文は、主人公に共感できる内容が多いです。
子どもが主人公の本なら、共感できる場面が見つかりやすいでしょう。
締めくくり・まとめ
締めくくりでは、その本を読んで自分がどう感じたか、今後どのように活かしていくかを書きます。
ここで、書き出しで触れた本との出会いを再度言及し、読後の心境の変化を述べると良いでしょう。
この本の表紙を初めて見たとき、ばあちゃんと孫の楽しい旅の話だと思いました。
しかし、実際に読んでみると、ばあちゃんが病気で亡くなっていて、さらに主人公が親に嘘をついて旅に出るという意外な展開に驚きました。
ぼくのばあちゃんも年を取っているので、「あの時こうしておけばよかった」と後悔しないように、ばあちゃんと思い出をたくさん作りたいと思います。
本を読んで生まれた決意表明は、好感度の高い読書感想文になります。
立派なことを述べなくても、自分のこれからの生き方について考えを述べれば十分です。
読書感想文をスラスラ書くコツ5つ
読書感想文は、コツを掴めばスラスラと書けるようになります。
以下のポイントを参考にしてください。
- 本の選び方
- 付箋を使う
- 主人公の気持ちになる
- 自分の体験と比較する
- 本が嫌いな場合はどうするか
本の選び方
本を選ぶ際に迷ったら、自分の興味や関心に関連するものを選びましょう。
たとえば、スイミングをしているなら水泳に関連する本、ゲームが好きならゲームに関する本を選ぶと書きやすくなります。
全く興味がない本だと、書くのが難しくなり、読書感想文に対する苦手意識を持ちやすくなります。
毎年、課題図書としていくつかの本が推薦されますが、興味がないものが含まれていることも多いです。
先生が課題図書を勧めることもありますが、自分が「これなら書ける!」と思う本を選びましょう。
付箋を使う
読書感想文を書くのに必要なのは、本と原稿用紙、そして付箋です。
気になる場面や文章があれば、そのページにどんどん付箋を貼っていきましょう。
付箋がないと、何度も読み返すことになり時間のロスになります。
また、最初に読んだ時の感動やインスピレーションも重要です。
面白いと感じた部分を忘れないために、付箋を活用してください。
主人公の気持ちになってみる
もし読んでいて特に印象に残る部分がなければ、主人公の気持ちになって考えてみましょう。
小学生向けの本には、主人公が子どもであることが多いです。
登場人物になりきって、「自分ならこうする」「このやり方がすごいと思った」など、自分だったらどうするかを想像して書いてみるとスラスラ書けるようになります。
自分の体験と比べる
主人公の経験を、自分の過去の体験と比較して書いてみると、内容の濃い感想文になります。
人気の本には、子どもが冒険に出る話が多いです。
実際に冒険に出るのは難しいかもしれませんが、初めて一人でおつかいに行った時の気分は冒険のようだったかもしれません。
その時のことを思い出して書くのも良いでしょう。
また、遠出ができない場合は「自分だったらこんな冒険をしてみたい」といった願望を書いてみるのも面白いでしょう。
本嫌いの場合は?
お子さんが本を嫌いで困っている場合、興味のある分野の本を読ませてみると良いでしょう。
マンガを読むのであれば、そのノベライズ版の読書感想文でも問題ありません。
ノベライズは、文章量が多くても読みやすいものが多くあります。
毎年出てくる課題図書や「○年生向き」といった肩書にこだわる必要はありません。
幼児向けの本でも構いません。小さい頃とは異なる視点で、その本を読むことができるからです。
さらに、お父さんお母さんが子供の頃に読んだ本は、図書館に並んでいることが多いです。
そういった本を借りてきて、親御さん自身が改めて読んでみるのも良いでしょう。
新たな発見があるかもしれません。
そして、お子さんに勧められそうなら、一緒に読んでサポートしてあげましょう。
まとめ
今回は、高学年向けの読書感想文の書き方についてご紹介しました。
学校が求める立派な内容でなくても大丈夫です。
夏休みは他の宿題や遊びで忙しいので、基本構成に沿って進めていけば、意外と早く終わらせることができます。
暑い夏は、涼しい図書館で本を探しながら感想文をまとめてみましょう。
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