りんごアレルギーは、生のりんごを食べることで発生することが多いアレルギーです。
特に口腔アレルギーとして知られており、アレルゲンが特定できれば、それを避けることで発症を防ぐことができます。
しかし、りんごは加工品としても様々な形で販売されており、りんご酢もその一つです。
りんご酢はそのまろやかな酸味で料理にも使いやすいですが、りんごアレルギーを持つ方にとっては安全でしょうか?
今回は、以下のポイントに焦点を当てて検討します。
- りんご酢がりんごアレルギーの症状を引き起こす可能性
- りんごアレルギーの概要
- りんご酢によってアレルギーが引き起こされた場合の対処法
りんご酢がりんごアレルギーの症状を引き起こす可能性
りんごアレルギーのある方がりんご酢を摂取した場合、アレルギー症状が発生する可能性があります。
りんご酢の製造プロセス
りんご酢は、りんごをアルコール発酵させ、その後酢酸発酵を行い、熟成させた後に殺菌ろ過して作られます。アルコールを含まないりんご酢は、りんご果汁を100%発酵させて作られる高純度のりんご酢です。
アレルギー発症には個人差がある
生のりんごにアレルギーがある場合でも、加工食品ではアレルゲンとなるタンパク質が減少したり変質したりすることで、アレルギー症状が出ないこともあります。しかし、アレルギーの程度によっては、微量のタンパク質でも症状が発生することがあるため注意が必要です。特に、口腔アレルギーは近年増加傾向にあり、まだ解明されていないことも多いです。りんごアレルギーのある方は、加工食品の摂取を少量から始めることをお勧めします。
りんごによるアレルギーの概要
りんごアレルギーは、生のりんごを食べることで発症するアレルギーです。シラカバの花粉症との関連がある口腔アレルギーとは別に、稀にりんごそのものに対するアレルギー反応があります。この場合、即時型食物アレルギーの可能性があります。
皮膚や呼吸器、消化器など、症状は多岐にわたります。重篤な状態になることもあるため、症状が現れた場合は、病院でアレルギー検査を受けることをお勧めします。
口腔アレルギー症候群
口腔アレルギー症候群は、果物や生野菜を食べたときに、唇や舌、口内や喉に違和感やかゆみ、腫れなどの症状が現れるアレルギーです。りんごに含まれるタンパク質とシラカバの花粉の構造が似ているため、シラカバ花粉症の人がりんごを食べると、アレルギー様の症状が引き起こされると考えられています。
大抵の場合、症状は軽度ですが、シラカバ花粉症の人が豆乳を飲んでアナフィラキシーを引き起こしたという報告もあるため、注意が必要です。花粉症を発症してから口腔アレルギーを発症するケースも多いため、花粉症の人は、アレルギーを引き起こしやすい果物を食べる際は、少量から始める、加熱調理したものを食べるなどの対策を取ることが推奨されます。
アレルギーの交差反応
りんごとシラカバの花粉のように、異なる物質でもアレルゲンとなるタンパク質の構造が似ているため、アレルギー反応を引き起こすことがあります。これをアレルギーの交差反応と呼びます。シラカバの花粉症を持つ場合、りんご以外にもさくらんぼや桃、メロンなどで同様の症状が現れることがあります。以下に代表的な交差反応の例を示します。
- シラカバ花粉症:りんご、さくらんぼ、桃、洋ナシ、メロン、豆乳など
- ブタクサ花粉症:スイカ、きゅうり、メロン、バナナ、セロリなど
- スギ花粉症:トマト
- イネ花粉症:トマト、スイカ、メロンなど
もしもりんご酢でアレルギーが発症してしまったら
注意していても、うっかりりんご酢を摂取してしまい、アレルギーが発症することがあります。その場合の対処法は以下の通りです。
主な症状
りんご酢で口腔アレルギーを引き起こした場合、唇や口内、喉にかゆみやいがらっぽさ、腫れなどの症状が現れます。また、腫れやむくみが発生することもあります。多くの場合、摂取から数分以内に症状が現れるのが特徴です。即時型食物アレルギーの場合、摂取後30分から2時間以内に発症することが多く、皮膚に蕁麻疹が現れたり、下痢や嘔吐などの消化器症状、咳や喘息のような呼吸器症状が発生することがあります。
対処法
口腔アレルギーの場合
症状を引き起こした食べ物が口内に残っている場合は、吐き出してうがいをしましょう。症状が軽く、時間とともに改善するようであれば、そのまま様子を見ても構いません。しかし、喉のかゆみや腫れがひどく、呼吸に影響を及ぼす場合は、速やかに医療機関を受診してください。
即時型食物アレルギーの場合
この場合も、まずは原因となった食べ物を吐き出し、うがいをしましょう。医師から処方された抗アレルギー薬を持っている場合は、指示に従って服用してください。症状が軽い、または時間とともに改善し、自分で水分を摂取できる状態であれば、一旦様子を見ても構いません。下痢や嘔吐が発生している場合は、イオン飲料などで脱水症状を防ぐために積極的に水分補給を行ってください。
ただし、即時型食物アレルギーの場合、稀にアナフィラキシーという重篤な状態に陥ることがあります。症状が徐々に悪化する、自分で水分を摂取できない、意識が低下しているなどの場合は、すぐに医療機関を受診してください。意識レベルが低下している場合は、救急車を呼ぶことも検討してください。
まとめ
この記事の要点をまとめると、以下の通りです。
- りんご酢でりんごアレルギーを引き起こす可能性は低いものの、アレルギーの重篤さには個人差があります。発症する可能性があるため、注意して対処しましょう。
- りんごによる口腔アレルギーは、シラカバ花粉症との関連があります。さくらんぼや桃にも注意が必要です。
- りんごそのものに食物アレルギーがある場合、重篤な症状を引き起こす恐れがあります。必要があれば、速やかに医療機関を受診しましょう。
花粉症の増加とともに果物による口腔アレルギーの患者数が増加していますが、花粉症があるからといって必ず口腔アレルギーを発症するわけではありません。発症した場合は、医師に相談して適切な対応を取りましょう。旬の果物はビタミンやミネラル、食物繊維の供給源となります。自分の体に合った果物を選んで、食事に取り入れてください。
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