現代人必見!自律神経をサポートするアロマオイル活用術

現代社会において、特に女性に多く見られる「自律神経失調症」は、ストレスが原因で自律神経のバランスが崩れ、心身に不調を引き起こすとされています。

この症状に悩む女性は少なくありません。

自律神経のバランスを整えるためには、日常生活の中でできることがたくさんあります。

できれば薬に頼らずに体調を整えたいと考える人も多いでしょう。

そこで、自律神経のバランスを整える効果が期待できるアロマオイルに注目し、その中でも特に有用なオイルをご紹介します。

また、これらのアロマオイルの基本的な活用方法も合わせてお伝えするので、すぐに実践できますよ。

さらに、自律神経とは何か、そのバランスを整える「香りのメカニズム」とは何かについても詳しく解説します。

日々の生活で乱れがちな自律神経を整えるために、ぜひアロマテラピーを活用してみてください。

自律神経とアロマ

自律神経は、交感神経と副交感神経という2つの神経系が拮抗することで、心身のさまざまな機能のバランスを調整しています。

しかし、内的および外的なストレスが心身にかかると、交感神経が刺激され、常に優位な状態となります。

この状態が続くことを「ストレス状態」と呼びますが、このストレス状態の緩和にアロマテラピーが役立つとされています。

アロマテラピーで使うアロマオイルには、心を静める鎮静作用のあるオイルが多く、副交感神経を優位にして心身のバランスを整える効果があります。

では、自律神経とアロマの関係について詳しく見ていきましょう。

そもそも自律神経とは?

自律神経とは、内臓や血管、ホルモンバランスなどの働きをコントロールし、体内の環境を整える神経です。

日中に活動しているときに活性化する「交感神経」と、夜やリラックスしているときに活性化する「副交感神経」の2種類があります。

この2種類の神経が拮抗することで、私たちの心身の調子は保たれています。

交感神経が強く働くと心身が興奮し、副交感神経が強く働くと心身が休む状態になります。

このように、自律神経は2種類の神経がバランスを取りながら働くことで健康を維持しますが、さまざまな原因でバランスが崩れることがあります。

季節の変わり目の外気温の変化などの「外的ストレス」や、よく聞かれる人間関係の悩みなどの「内的ストレス」により、自律神経が乱れることがあります。

その結果、心身に不調をきたすことを「自律神経失調症」と呼びます。

自律神経失調症になると、不安感や緊張感が高まるほか、倦怠感や頭痛、肩こり、手足のしびれ、めまい、不眠などの症状が現れます。

また、自律神経の乱れは内臓にも影響を及ぼし、神経性胃炎や過敏性腸症候群、過呼吸症候群などの症状を引き起こすことがあります。

このように、自律神経のバランスは健康で快適な生活を送るために非常に重要です。

自律神経のバランスを整えるためにおすすめのアロマオイル

  • ラベンダー: リラックス効果が高く、ストレス緩和に最適です。
  • カモミール: 鎮静作用があり、睡眠を促進します。
  • ベルガモット: 心を落ち着かせ、気分を明るくする効果があります。

アロマオイルの基本的な活用方法

  1. ディフューザーを使用する: 部屋全体に香りを広げてリラックス空間を作ります。
  2. バスに数滴入れる: お風呂で香りを楽しみながら、リラックスできます。
  3. マッサージオイルに混ぜる: 肌に直接塗布することで、香りとともにリラックス効果を高めます。

自律神経タイプチェック

「自律神経のバランスは大丈夫か?」と心配になる方も多いでしょう。

インターネット上には、「自律神経の乱れ」についてセルフチェックができるサイトがいくつかありますので、ぜひ試してみてください。

例えば、こちらのサイトでは、あなたの生活が自律神経を乱しやすいかどうかを確認できます。

【セルフチェック】自律神経が乱れる原因を理解して、健康的な生活を目指しましょう

また、自律神経のタイプ別におすすめのアロマオイルやケア方法を教えてくれるサイトもあります。

自律神経タイプチェック

こうしたチェックを活用して、自分の状態を確認しておくと良いでしょう。

自律神経を整えるアロマオイル

自律神経について理解し、自分のタイプを知ると、ストレスが主な原因であることが分かります。

ストレスの要因は人それぞれですが、大きく分けて2つの傾向があります。

  1. 一時的な疲労や些細なことでイライラするようなストレスで、この場合には副交感神経を刺激して鎮静させるアロマオイルが効果的です。
  2. 慢性的な負荷や疲労によるストレスで、交感神経を刺激してリフレッシュを促すアロマオイルが良いとされています。

自律神経のバランスを整えるには、その時の状態に応じてリラックスとリフレッシュを持つアロマオイルを使い分けるのが一番です。

アロマオイルは西洋医学の薬とは異なり、穏やかに効果を表します。

日常的に取り入れて、自律神経のバランスを整えることをおすすめします。

ストレスケアにおすすめのアロマブレンド

実際に、自律神経のバランスを整え、ストレスケアにおすすめのアロマオイルとブレンドのレシピをお伝えします。

日常に取り入れ、香りとともにストレスケアをしましょう。

リラックス系のおすすめアロマオイルとブレンド

日常生活での些細なイライラや疲労感を癒すリラックス系のアロマオイルとして「ラベンダー」や「フランキンセンス」が挙げられます。

ラベンダーは「真正ラベンダー」を使いましょう。

真正ラベンダーには強い鎮静作用があり、副交感神経に働きかけます。

フランキンセンスは「乳香」とも呼ばれ、樹脂から抽出されるアロマオイルで、鎮静作用の高い成分が含まれています。

これらを使ったブレンドオイルを作ってみてはいかがでしょうか?

リラックスにおすすめのブレンドレシピ

ラベンダー・オレンジスイート・ジャスミン

副交感神経を優位にし、夜ぐっすり眠れるほどリラックスできるブレンドです。

深い鎮静作用とバランスを保ちたいときにおすすめです。

芳香浴で香りを楽しみながらリラックスしてみてください。

フランキンセンス・ローズ・オレンジスイート

通常、柑橘系のアロマオイルはリフレッシュ作用が強いと言われていますが、オレンジスイートにはリラックス効果もあります。

夜リラックスしたいときに、甘く濃い華やかな香りとともにブレンドしてはいかがでしょうか。

アロマスプレーを作り、寝室で使うのも良いでしょう。

ぜひ試してみてください。

リフレッシュ系のおすすめアロマオイルとブレンド

長期間のストレスで気分が落ち込み、意欲が低下している場合、交感神経を刺激してリフレッシュ効果のある「ベルガモット」や「レモン」が最適です。

これらの柑橘系アロマオイルには、リモネンという芳香成分が含まれ、血流を促進し交感神経を活性化させる効果があります。

そのため、リフレッシュには最適です。特に、ベルガモットにはリモネンに加えて、ラベンダーにも含まれる酢酸リナリルが含まれているため、リラックス効果もあります。

ベルガモットの香りは、気分の落ち込みを和らげる効果も期待されます。以下のブレンドレシピを試してみてください。

リフレッシュにおすすめのブレンドレシピ

ベルガモット・ローズマリー・レモン

ベルガモットとレモンにはリフレッシュ効果のあるリモネンが含まれています。

また、シソ科の植物であるローズマリーには、心身の強壮作用があります。

これにより、心身を温めて沈んだ気持ちを元気にするのに役立ちます。

このブレンドオイルは、リビングで使うルームスプレーとして活用してみてはいかがでしょうか?

ローズマリー・ペパーミント・レモン

勉強や仕事のストレスで慢性的に疲労がたまり、思考がぼんやりしてきたときにおすすめのブレンドです。

交感神経を刺激する高揚作用や活性作用が、それぞれのアロマオイルに含まれています。

清々しい香りとともに頭がすっきりするでしょう。

デスクの傍にこのブレンドオイルを置き、時々香りを嗅ぎながら作業を進めることで、作業効率も向上します。

自律神経をアロマで整えよう!

ここまで、自律神経を整えるためにどのようなアロマオイルを使い、どんなブレンドが有効かをお伝えしてきました。

では具体的に、アロマオイルの「香り」がどのように私たちの心身に働きかけ、自律神経のバランスを整えてくれるのかを見ていきましょう。

ここでは、アロマオイルの香りが心身に及ぼす効果と、家庭で簡単に活用できる基本的なアロマオイルの使い方を詳しく解説します。

香りのメカニズム(伝わり方)

アロマオイルには「芳香成分」という良い香りの小さな分子が含まれています。

これらの分子は、心身に様々な働きをもたらし、いくつかのルートで私たちの体内に取り込まれます。

香りが体内に伝わるメカニズムには、大きく分けて3つのルートがあります。

鼻から大脳へ

空気中に漂う香りの分子は、鼻から吸入され「嗅粘膜」に溶け込みます。

嗅粘膜は鼻の奥にあり、ここからインパルス(電子信号)として大脳の中心部にある大脳辺縁系に伝えられます。

大脳辺縁系に伝わった情報は、さらに大脳新皮質、視床下部、脳下垂体へと伝達され、ホルモン系や免疫系、自律神経系の調整を行います。

こうしたメカニズムにより、アロマテラピーは「香りを嗅ぐだけで心身に良い効果がもたらされる」とされています。

鼻から肺・血流へ

香りの分子は呼吸によって鼻だけでなく口からも吸収されます。

鼻や口から吸収された香りの分子は、気管や気管支、肺に入り、肺の粘膜から血管壁を通じて吸収されます。

これにより、血流に乗って全身に香り成分が巡り、心身に良い働きをもたらします。

さらに、吸収された香りの分子は各器官や組織で分解され体外に排出されるため、毒素や副作用がほとんどありません。

表皮から皮下組織・血流へ

他にも、表皮から「経皮吸収」により香りの分子が吸収され、全身に巡るルートがあります。

アロマトリートメント(マッサージ)やアロマスプレーを直接肌につけると、皮膚から香りの分子が吸収され、表皮・真皮・皮下組織を経て毛細血管に到達し、血流に乗って全身に良い作用が巡ります。

これにより、アロマオイルの成分は肌にも働きかけ、内側から美しさを保つ効果も期待できます。

基本的なアロマの活用方法(家庭でもできる方法)

アロマオイルの様々な効果は、香りのメカニズムを通じて心身に良い影響を与えます。

ここでは、日常生活にアロマオイルを取り入れて自律神経を整える基本的な方法を紹介します。

芳香浴

アロマオイルの香り分子は揮発性があり、空気中に漂います。

その香りを楽しむ「芳香浴」は最も基本的な方法です。

アロマポットやディフューザーを使って空間に香りを広げるのが一般的ですが、道具がなくても手軽に楽しむ方法もあります。

  • マグカップにお湯を入れ、アロマオイルを数滴垂らすと湯気とともに香りが漂います。
  • ハンカチやティッシュに数滴垂らすだけでも効果があります。
  • アロマスプレーを作り空気中に噴霧するのも良いでしょう。

芳香浴は手軽で場所を選ばず楽しめる方法です。

吸入法

芳香浴をさらに効果的にするのが「吸入法」です。

マグカップや洗面器に熱いお湯を注ぎ、アロマオイルを数滴垂らします。

顔を近づけて湯気を吸い込みます。

大きな容器を使う場合は、タオルを頭からかぶり顔全体に湯気を浴びると美肌効果も得られます。

  • 吸入法は呼吸器の不調を改善するのに役立ちますが、刺激が強いので5分以内にしてください。
  • 目を閉じて行うことも忘れずに。

沐浴法

入浴時にアロマオイルを楽しむ「沐浴法」は、香りを嗅ぐだけでなく皮膚からも成分を吸収できます。

天然塩や植物油にアロマオイルを数滴希釈して浴槽に入れ、しっかりかき混ぜて入浴します。

また、洗面器にお湯を入れてアロマオイルを数滴垂らし、手浴や足浴でもアロマの効果を取り入れられます。

湿布法

「温湿布」と「冷湿布」の2種類があります。

お湯または水を洗面器に入れ、アロマオイルを数滴垂らします。

タオルを浸し、絞って患部に当てます。

  • 温湿布は腰痛や肩こり、生理痛などに効果的です。
  • 冷湿布は筋肉痛や捻挫、日焼けの症状に効果的です。

トリートメント法

植物油にアロマオイルを希釈し、体に塗ってマッサージする方法です。

マッサージと経皮吸収によってアロマオイルの効果が全身に広がります。

身体のコリや冷え、疲労を感じたらこの方法がおすすめです。

マッサージオイルの濃度は1%が基本です。

例えば、植物油30mlに対して1%の濃度で作る場合、「30ml×0.01(1%)=0.3ml」で、アロマオイル1滴は0.05mlなので「0.3ml÷0.05ml=6滴」が必要です。

ぜひ試してみてください。

自律神経とアロマの具体的活用例

ここまでの内容で、自律神経を整えるためにアロマオイルがどれほど役立つか理解できたでしょう。

しかし、実際にアロマオイルが自律神経にどのように作用するのか、さらに詳しく知りたいと思う方も多いでしょう。

そこで、自律神経の乱れによる心身の不調をアロマオイルがどのように緩和するか、具体的な活用例を紹介します。

活用事例(1)「自律神経の乱れからくる不眠の解消」

自律神経のバランスが崩れ、常に交感神経が優位になると、寝付きが悪くなったり夜中に何度も目が覚める「不眠傾向」に陥ることがあります。

そんな時は、副交感神経を刺激し優位にする作用のある「ラベンダー」や「オレンジスイート」の香りを夜に嗅いでから休んでみてください。

これらのアロマオイルは、副交感神経に働きかけて心身をリラックスさせるだけでなく、入眠を促し深い眠りを誘う効果があります。

不眠に悩んでいる方は、枕元にラベンダーやオレンジスイートの香りを漂わせてみてください。

活用事例(2)「浅い呼吸を深呼吸に改善」

現代人に多いと言われる「呼吸が浅い」問題も、自律神経のバランスが乱れることで引き起こされることがあります。

呼吸が浅くなると代謝や血流が悪くなり、肌荒れなどの不調を引き起こすこともあります。

これを改善するには、リラックス効果の高いラベンダーとともに「クラリセージ」が有効です。

クラリセージはマスカットのような甘い香りが特徴で、緊張を緩めて副交感神経を優位にし、呼吸を深くする効果があります。

呼吸が浅く息苦しいと感じるときは、ラベンダーやクラリセージの香りを嗅ぎながら深呼吸しましょう。

活用事例(3)「自律神経の乱れからくる冷え性を緩和」

自律神経のバランスが乱れると、末梢血流量が低下し「末端冷え性」といった症状を引き起こすことがあります。

冷え性の緩和に役立つアロマオイルは「ネロリ」です。

ネロリはビターオレンジの花から抽出される貴重なオイルで、深いリラックス効果と細胞の修復を促す作用があります。

これにより、ストレスで低下した皮膚体温を回復させる効果が期待されます。

冷え性に悩む方は、ネロリの香りを取り入れてみてください。

「冷えは万病のもと」とも言われるので、アロマオイルで冷え性を改善しましょう。

活用事例(4)「自律神経の働きは頭の回転も良くする」

アロマオイルの芳香成分の中には、血流を促進する効果があるものがあります。

例えば、ローズマリーやグレープフルーツには、リフレッシュ作用で交感神経を活性化させるだけでなく、脳内の情報処理速度を向上させる働きがあることが実験で確認されています。

さらに、ローズマリーには認知症の予防に効果があることも、ある大学の研究で明らかになっています。

頭の回転を良くするために、こうしたアロマオイルを積極的に活用してみてください。

活用事例(5)「自律神経と女性ホルモンの働きの関係にもアロマが役立つ」

女性特有の不調「PMS(月経前症候群)」に悩む方も少なくありません。

女性ホルモンのバランスが崩れると、自律神経にも影響を及ぼすことがあります。

こうした時に役立つのが、女性ホルモンに似た作用を持つアロマオイルです。

「ローズ」や「ゼラニウム」、「クラリセージ」には、エストロゲンの分泌を促す作用があり、自律神経のバランスを整える効果もあります。

PMSによる情緒不安定を改善するためにも、これらのアロマオイルを取り入れてみましょう。

香りを楽しむだけでなく、マッサージオイルを作り、生理痛予防に腹部をマッサージするのも効果的です。

ぜひ試してみてください。

まとめ

アロマテラピーは、ヨーロッパでは西洋医学の代わりとなる「代替療法」として心身の不調を整えるために活用されています。

西洋医学の対症療法では解決しにくい自律神経の乱れやホルモンバランスの不調を改善するために、アロマオイルの薬効が役立つと考えられています。

日本ではアロマテラピーは「リラクゼーション」として認識されていますが、自分が心地よいと感じる香りのオイルを日常に取り入れることで、健康維持や心の癒しだけでなく、自律神経のバランスを整えることも期待できます。

今回の内容を参考に、自律神経のバランスを整えるためにアロマを活用してみてください。