ザリガニは一度は目にしたことがある生き物でしょう。
子供の頃にザリガニ釣りを楽しんだ記憶がある人も多いかもしれません。
しかし、ザリガニがどのような分類に属するのかはあまり知られていません。
見た目はエビに似ているものの、ハサミはカニのようです。
一体どちらのグループに属するのでしょうか?
それとも両方ではないのでしょうか?
そんな疑問を解決するために、ザリガニの特徴についてまとめてみました。
ザリガニはエビとカニのどちらに属するか
では、ザリガニはエビとカニのどちらに属するのでしょうか?
実は、ザリガニはエビの分類に入ります。ザリガニ、エビ、カニの違いは、生物学的な分類に基づいています。
ザリガニ⇒ザリガニ下目に属するザリガニ上科とミナミザリガニ上科の総称。
エビ⇒節足動物門・甲殻亜門・軟甲綱・十脚目において、カニ下目とヤドカリ下目以外の全種の総称。
カニ⇒十脚目短尾下目に属する甲殻類の総称。
ザリガニはハサミが大きく、「ガニ」の名がついているため、カニの仲間と間違われることがありますが、実際にはカニの仲間ではなく、エビの分類に属する生き物です。
ザリガニに「カニ」の名がつく理由
では、なぜエビの仲間であるザリガニに「カニ」という言葉が含まれているのでしょうか?
その名前の由来にはいくつかの説があります。
よく知られている説は以下の通りです。
- 砂礫質の環境に生息することから、「ジャリガニ」(砂利蟹)が転じて「ザリガニ」になった。
- 体内で生成される白色結石が「仏舎利」と呼ばれ、「シャリカニ」から「ザリガニ」に変化した。
- 後退する行動から、「ヰザリガニ」(居去り蟹)が転化して「ザリガニ」になった。
江戸時代の文献によると、当時の人々がザリガニの歩き方や体の特徴に着目して名付けたことがわかります。
しかし、「カニ」という言葉がなぜ付けられたのかははっきりしていません。
ザリガニとエビの主な違い
ザリガニとエビの違いは、1.体の構造 2.生息場所の2点に分けて説明します。
1.体の構造
一番の違いはハサミの有無です。
エビは小さなハサミしか持っていませんが、ザリガニには大きなハサミがあります。
ただし、手長エビなどの一部のエビも大きなハサミを持っているため、ハサミの有無だけで判断するのは難しいです。
2.生息場所
エビは海に生息していると思われがちですが、淡水に生息する種類もいます。
一方、ザリガニの多くは川や湖に生息していますが、一部の種類は海にも生息しています。
したがって、生息場所も大きな違いとは言えません。
ザリガニはエビの味がするのか
では、ザリガニとエビの味にはどのような違いがあるのでしょうか?
食べられるザリガニは存在するのでしょうか?
エビはプリプリとした食感と後から来る旨味で人気があります。
一方、ザリガニには淡水魚特有の臭みがあります。
ザリガニの肉は水っぽく、エビよりもカニに近い食感です。
しかし、ザリガニは食用として適していないわけではありません。
適切な処理を行えば食べられます。
フランスでは高級食材として、中国では揚げ物として人気があります。
ザリガニの臭みを処理すれば、エビに近い味わいを楽しむことも可能ですが、エビほどの肉質を期待することはできません。
しかし、ザリガニはザリガニなりの美味しさがありますので、料理に挑戦する価値はあります。
ロブスターとザリガニの違い
大きなハサミを持つロブスターとザリガニの違いについて説明します。
ロブスターは十脚目抱卵亜目ザリガニ下目アカザエビ上科ロブスター属に分類される甲殻類です。
ザリガニも同じく十脚目抱卵亜目ザリガニ下目に属します。
したがって、広い意味ではロブスターもザリガニの一種と言えます。
しかし、オマール海老などの代表的なロブスターと、一般的なアメリカザリガニを比較すると、見た目や食材としての特徴に大きな違いがあります。
まとめ
ザリガニは「ガニ」という名前がついていますが、生物学的にはエビの分類に属します。
ザリガニの種類は多岐にわたり、ロブスターやアメリカザリガニなどさまざまな種類が存在します。
食材としても、適切な処理を行えば美味しくいただけます。
ペットとして飼育することも可能です。ザリガニの世界は奥深く、知れば知るほど魅力的です。
ぜひ、ザリガニ料理やペットとしての飼育に挑戦してみてください。
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