現代のネット社会では、「メンヘラ」という言葉を頻繁に耳にし、目にすることも多いでしょう。
しかし、その正確な意味を知っている人は意外と少ないかもしれません。
この言葉は最近使われ始めたものではないため、今さら「メンヘラって何?」と尋ねるのは少し躊躇するかもしれません。
ネットの普及に伴い、メンヘラをはじめとする略語や造語が増えてきました。
メンヘラだけでなく、様々なネットスラングが存在しています。
ネットスラングの中には、必ずしも共通の意味を持たないものもあります。
造語は現実の言葉と組み合わさったものが多く、現実で使われる場合と全く異なる意味を持つこともあります。
定着しなかった言葉も多々あります。
メンヘラは精神的なものに由来する言葉であり、心理学や精神疾患を語る上で知っておくべきネット用語の一つです。
言葉の定着度も高いです。
そこで今回は、今さら聞けないメンヘラの意味や特徴についてお伝えします。
メンヘラはれっきとした病気である認識をしよう
メンヘラという言葉は、2ちゃんねるの「メンタルヘルス板」に由来します。
メンタルヘルス板では「心の健康」について扱われており、「メンタルヘルス板にいる人」をメンヘラーと呼ぶようになり、それが縮まってメンヘラとなりました。
メンヘラはネット上で気軽に使われるため、人の性質の一部と考える人も多いでしょう。
しかし、メンヘラは立派な精神疾患や心因性の病気です。
これをしっかり理解しておかないと、メンヘラの特徴を明確に理解することができず、対処も難しくなります。
メンヘラを病気と考えた場合、以下の4つのタイプに分類できます。
もちろん、これが全てではなく、複合的なパターンも考えられます。
妄想タイプ
陰にこもって考えを巡らせ、あり得ない結論に至り、そこから抜け出せません。
このタイプは多少他者との交流がありますが、妄想を良い方向には導きません。
孤独タイプ
他者との交流がなく、孤独の理由を自分に求めます。このタイプも妄想が強いです。
否定タイプ
他者や自分自身、世の全てを否定し、自分を害するものと考えます。
ヒステリータイプ
これらの発展型で、激昂しやすく、最終的にヒスを起こします。
まずは、これらの要素を念頭に置いて判断しましょう。
メンヘラは通信手段にこだわる
メンヘラかどうかは、長く付き合ってみないとわからないことも多いですが、いくつかの特徴から見分けることができます。
その一つが連絡方法への強いこだわりです。
メンヘラの人は、他者と交流する際に現実感を失うことを望みます。
これは無意識的な場合もあります。
現実の世界が好きではなく、馴染めないため、できるだけリアル感のない連絡手段を好みます。
そのため、メールやLINE、SNSのダイレクトメッセージを多用します。
電話ですら、相手の声を聞くことで現実を感じてしまうため、避ける傾向にあります。
しかし、人との交流を全く避けているわけではなく、自分がコントロールできる範囲内の人とは積極的に連絡を取ります。
このような特徴が見られる場合、メンヘラの可能性を考慮しても良いでしょう。
自傷行為や「死にたい」と言うこと
メンヘラの人は「かまってちゃん」とも呼ばれ、無視されると他者の注意を引くために自傷行為や「死にたい」といった発言をします。
自傷行為は死ぬためのものではなく、失敗して残った傷でもありません。
心理学的、精神医学的に、メンヘラの自傷行為は死に直結しません。
確かに心を病んでいるため、うつ気質であることは間違いありませんが、ストレス発散や代替行為として自傷行為を行います。
メンヘラの人は自傷行為に慣れており、周囲の注目を得るために行うのです。
また、「死にたい」と口にするのも同様です。
真に死にたい人は誰にも言わずに行動します。
つまり、他者の介入の余地がないのです。
メンヘラの「死にたい」という発言は、他者に介入して欲しいというサインなのです。
自分自身の悲壮な話がほとんど
メンヘラの人は自己顕示欲が強く、その表現方法が独特です。
自分に注目を集める際に、自慢話ではなく悲壮で悲観的な話をします。
同時に相手の同情を引き、自分を優位に立たせようとします。
一見、自慢話の方が優位に立てるように思えますが、実際には同情されることで精神的優位に立てるのです。
特に、普通では考えられないような悲壮で悲惨な話であればあるほど優位になれます。
聞いてもいないのに悲壮で悲惨な話をする人は、メンヘラの可能性が高いです。注意しましょう。
全ての物事を自分の都合に合わせる
メンヘラの人は、物事を自分に都合の良いように解釈しますが、決してポジティブではありません。
彼らは「悲劇のヒロイン症候群」とも言え、その視点から物事を捉えます。
良い話を聞いても素直には受け入れず、「自分はこんなに不幸だ」と感じるように解釈します。
自分の不幸を強調し、同情や庇護を求める傾向があります。
そのため、どんな事柄もその方向へ解釈されます。
話をしていて、自分の意図と大きくずれたり、話が微妙に変わっていく場合、その相手はメンヘラの可能性が高いです。
メンヘラの人は『共感能力』が著しく欠如している
メンヘラの人は、他者との共感能力が非常に乏しいです。
彼らは独自の世界観を持ち、自分を完全に確立してしまっているため、他者優先の物事に対する共感能力はほとんどありません。
仮に共感することがあっても、否定的な立場に立ち、認めることはしません。
そのため、メンヘラの人とは同じ目標を共有したり、協力関係を築くことが難しいです。
否定的な態度を頻繁に示す人は、まさにメンヘラと言えるでしょう。
独特な欲望のベクトル
メンヘラの人は、性欲、食欲、睡眠などの通常の三大欲求に対して強い関心を示さないことが多いです。
特に、食欲や睡眠に対する興味が極めて薄い傾向があります。
彼らは自分が他の人とは異なる世界線に生きていると感じており、そのため普通の人が感じる欲望に対してあまり興味を持ちません。
彼らの関心は『自分自身』にのみ向けられます。
自分をどう見せるか、自分がどう思われるか、自分の望みに沿っているかが最も重要なのです。
物質的な欲望を超越し、精神的な満足を追求するため、拒食症などがその一例として挙げられます。
次元の異なる自己顕示欲を満たすために、通常の欲望は意識の外に置かれるのです。
普通の人が求めるものを欲しがらない人は、メンヘラの可能性が高いと言えます。
まとめ
メンヘラの人の特徴が理解できたのではないでしょうか。
彼らがいけない、駄目というわけではありませんが、付き合うには大きなリスクが伴います。
合わないからといって簡単に付き合いを止めることは難しいでしょう。
メンヘラの人は、意識的にそう振る舞っている場合も多いですが、その意識は無意識下、潜在意識から来ています。
たとえ意識的にメンヘラ的な行動をとっていても、その動機は自分でコントロールできないところにあります。
そのため、彼らは自分の意に沿わないことを決定することができません。
メンヘラの人を可哀想に思い、付き合って治してあげたいと思う人もいるかもしれませんが、これは専門的な分野の話であり、他者や本人が治すことはできません。
メンヘラは病気の一種であると認識し、そのリスクを抱える覚悟がないなら近づかないことが賢明です。
意志や気持ちで改善できるものではないからです。
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