若者にも増加中!夜間の発汗・ほてりを引き起こすホットフラッシュ

「夜中に目が覚めてイライラする…」「気温が低くても汗をかく…」「背中が暑く感じる…」「顔が熱くなる…」

睡眠が途切れるとストレスを感じます。深く眠りたいのに何度も目覚めたり、暑くて眠れなかったりすることもあります。

これらの症状は「ホットフラッシュ」と呼ばれ、通常は更年期障害の症状とされています。

更年期障害は閉経前の女性に起こるというイメージが強いですが、最近では男性や思春期の若者にも「ホットフラッシュ」の症状が見られます。

「男性にも更年期障害があるの?」「若いのになぜ?」と不安を感じる方へ、性別や年齢に関係なく現れる「ホットフラッシュ」の症状について説明します。

夜間に体温が上がり目が覚める「ホットフラッシュ」とは?

更年期に典型的な症状には、のぼせ、発熱、発汗などの血管運動神経系の症状があり、これをホットフラッシュ(hot flash)と呼びます。

症状としては、数分間続く熱感と発汗があり、血圧は変わらず、脈拍が増加します。

さらに、めまいや吐き気、頭重感を伴い、顔から全身に広がります。症状が長く続く場合は1時間ほど持続することもあります。

更年期障害は女性ホルモンの減少が主な原因とされていますが、ホットフラッシュは更年期障害を持つ全ての人に現れるわけではありません。

しかし、実際には50代以上の女性の約半数がこれらの症状に悩んでいます。

長期間続くことから、非常に苦痛です。

さらに、この厳しい症状を男性や若い人たちが「更年期障害に似た症状」として訴えるケースが増えています。

男性・若者に現れるホットフラッシュの正体

男性や若者に見られる「更年期障害のような症状」。

性別・年齢に関係なく現れる症状にはイライラ・不安・憂鬱・関心や意欲の低下・関節痛、筋肉痛、発汗、発熱、疲労、肥満、頻尿、性機能の低下など様々なものがあります。

閉経前の女性に見られる更年期障害は女性ホルモンの減少が原因と述べましたが、これは女性ホルモンだけに限らず、男性ホルモンを含む「性ホルモンの減少」が、男性や若者に見られる症状の根本原因でした。

女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)

エストロゲンは月経周期に影響を及ぼし、女性らしさを形成するホルモンとして、乳房の成長、皮膚、骨、筋肉、脳、自律神経などに作用します。

プロゲステロンは体内の水分を保持し、食欲を促進し、基礎体温を上昇させる役割を持っています。

男性ホルモン(テストステロン)

男性ホルモンの減少と聞くと性欲減退やED(勃起不全)と関連付けられがちですが、

テストステロンは発汗や発熱、関節の症状、睡眠障害と深い関係があり、筋肉や骨を強化し、肥満を抑制し、判断力や理解力などの認知能力を向上させる役割を持っています。

これらの性ホルモンが減少することで、身体が熱くなり、夜間に大量の汗をかいたり、目が覚めたりするのです。

では、なぜこの女性ホルモン・男性ホルモンが減少するのでしょうか?

不調の原因となる性ホルモン減少の原因とは?

ストレス

長時間労働による仕事の疲れ、人間関係のストレス、パソコン・スマホの使用による「テクノストレス」など、多様な原因で蓄積されるストレスがありますが、

これらのストレスによって男性は精巣、女性は卵巣の機能が低下し、性ホルモンの減少が生じます。

リフレッシュを心掛けることで改善につながるかもしれません。

運動不足による自律神経の乱れ

自律神経は、身体を興奮させたり、心を落ち着かせる神経です。

血管、血圧、心拍、皮膚、発汗、体温などの血管運動神経と密接に関連しています。

運動をすると体温が上がり汗をかきます。(交感神経優位:興奮状態)運動を止めると体温が下がり汗も止まります。(副交感神経優位:リラックス状態)

運動をすることで自律神経がスムーズに機能しなくなり、血管運動神経に過剰な命令が伝わり、異常な発汗や心拍の上昇、体温の上昇につながります。

さらに、運動不足になると基礎代謝が下がり、カロリーの消費も減少するため、太りやすくなり、運動不足の悪循環が生じます。

自律神経は体の機能を決定していると言っても過言ではありません。

運動不足の解消が改善への最短距離のようです。

アレルギー(または過敏症)

食品の添加物、衣服の繊維、アルコールやカフェインなどの刺激物に対する過剰反応によりホットフラッシュが発生する場合があります。

花粉症やそばアレルギーのような急激なアレルギー反応ではなく、軽い反応であるが身体が耐えられない物質を知らずに摂取しており、免疫反応が起きてホットフラッシュとして現れることがあります。

近年は外食やコンビニで手軽に美味しいものが食べられるため、添加物を摂取する機会が増えています。

実はこれが更年期障害に似た症状を悪化させていると考えられます。

薬の副作用

一般的に使用される薬の副作用として発熱やのぼせが報告されていますが、特に影響が大きいのが抗うつ薬、骨粗しょう症治療薬、麻薬性鎮痛薬です。

増加傾向にあるうつ病の治療に使用される「抗うつ剤」にホットフラッシュを引き起こす副作用があるとされています。

更年期障害で気分が落ち込む方に抗うつ剤を使用する治療もあるため、悪循環が生じている可能性があります。

まとめ

更年期障害に似た症状は「性ホルモン」の減少が原因です。

自律神経の乱れが生活をさらに悪化させます。

運動や食生活の改善が解決への近道です。

ストレスや生活習慣により、年齢に関係なくホルモンが減少することが分かりました。

便利なものが多い現代では、食事や運動など手間のかかることを怠りがちです。

スマホの長時間使用も実際にはストレスとして悪影響を及ぼしています。

しかし、睡眠や食事の改善、趣味でリフレッシュすることでかなりの改善が見込めます。

この機会に生活を見直してみるのはいかがでしょうか?