【点心完全ガイド】餃子だけじゃない!小籠包から人気デザートまで代表20種を徹底解説

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中華料理店でのお悩み、解決します!

中華料理店のメニューを眺めながら、「焼売と餃子は知ってるけど、他のメニューはどんな料理なんだろう?」「せっかくだから新しい点心にもチャレンジしてみたいな」と思ったことはありませんか?

点心の世界は想像以上に奥が深く、知れば知るほど魅力的な料理がたくさん存在しています。蒸し立ての香り、焼きたての香ばしさ、そして職人さんの技が光る美しい見た目まで、五感で楽しめる素晴らしい食文化なんです。

今回の記事では、点心初心者の方から、もっと詳しく知りたい方まで、幅広く楽しんでいただけるよう、基本知識から定番メニュー、ちょっと珍しい本格派まで、代表的な点心を詳しくご紹介していきます。

この記事を読み終わる頃には、きっとあなたも点心の魅力にハマってしまうはず。次に中華料理店を訪れる際の楽しみが、ぐっと広がることでしょう。

「点心」って実際のところ何なの?歴史と文化を知ろう

そもそも「点心」とは何でしょうか。簡単に言うと、中国料理における軽食や間食の総称のことです。お腹が空いた時にちょっとつまむ小さな料理全般を指していて、その種類は実に2000を超えるとも言われているんです。

この「点心」という言葉の語源は、とても興味深いものがあります。「空腹になった心に、ちょうど良い具合に点を打つように、少しずつ食べ物を摂る」という禅の教えから生まれた言葉「点心(てんじん)」が元になっているとされています。唐の時代、つまり今から1000年以上も前から、この言葉が使われていた記録が残っているんですよ。

飲茶(ヤムチャ)との関係性を整理してみよう

よく「飲茶」という言葉も耳にしますが、これは点心とどう違うのでしょうか。「飲茶」は、文字通り「お茶を飲む」という意味の広東語なんです。つまり、中国茶を楽しみながら点心を食べるという、広東省や香港で根づいている食文化そのものを表しています。

整理すると、「飲茶」は「点心を食べながらお茶を楽しむ習慣」で、「点心」は「その時に食べる料理」ということになります。この違いを知っておくと、中華料理店での会話もちょっとスマートになりますよね。

点心の分類方法:味と調理法で理解する体系的アプローチ

数多くある点心ですが、実は大きく「味」と「調理法」の2つの軸で分類することができます。この分類を理解しておくと、メニューを見た時にどんな料理なのか推測しやすくなって、注文する際にとても便利です。

味による分類:甘いか、甘くないか

まず味による分類から見てみましょう。点心は大きく2つに分けられます。

「鹹点心(シェンティエンシン)」は、塩味や醤油味をベースにした、甘くない点心のことです。いわゆる食事系の点心はほとんどがこちらに分類されます。餃子や焼売、小籠包なんかがその代表例ですね。

「甜点心(ティエンティエンシン)」は、甘い点心のことを指します。食後のデザートとして楽しまれることが多く、胡麻団子やエッグタルトなどがこちらに含まれます。

調理法による分類:職人技が光る4つの技法

調理法による分類は、さらに細かく4つに分けることができます。それぞれの調理法によって、食感や風味が大きく変わってくるのが面白いところです。

  • 蒸点(ジョンディム):蒸して調理する点心。素材の味を活かした優しい仕上がりが特徴です。(例:焼売、小籠包、海老蒸し餃子)
  • 焼点(ガウディム):焼いて調理する点心。香ばしい焼き色と食感が魅力です。(例:餃子、大根餅、焼き小籠包)
  • 炸点(ジャーディム):油で揚げて調理する点心。サクサクした食感がアクセントになります。(例:春巻き、胡麻団子、咸水角)
  • 湯点(タンディム):茹でて調理する点心。つるんとした食感が楽しめます。(例:ワンタン、水餃子)

それでは、これらの分類を踏まえて、具体的な点心の種類を調理法別に詳しく見ていきましょう。

【蒸点】蒸籠から立ち上る湯気がごちそう!優しい蒸し点心の世界

点心の中でも特に人気が高く、王道と言えるのが蒸し点心です。蒸すことで素材の旨味を逃がさず、優しい味わいに仕上がるのが最大の魅力。蒸籠から立ち上る湯気を見ているだけでも、お腹が空いてきますよね。

焼売(シュウマイ)- 肉の旨味がぎゅっと詰まった定番中の定番

豚ひき肉に玉ねぎやタケノコなどを混ぜ合わせた餡を、薄い円形の皮で包んで蒸し上げた、日本でもお馴染みの点心です。シンプルな見た目でありながら、肉の旨味がぎゅっと凝縮された、奥深い味わいが楽しめます。

本場では、上に蟹の身やうずらの卵を乗せたバリエーションもあり、見た目の華やかさも楽しめます。家庭でも比較的作りやすい点心として、多くの人に愛され続けています。

小籠包(ショウロンポウ)- 職人技が光る、スープたっぷりの芸術品

薄い皮をそっと破ると、じゅわ~っと溢れ出す黄金色のスープ。これこそが小籠包最大の醍醐味です。実はこのスープ、コラーゲンたっぷりの煮こごりを餡と一緒に包み込んで作られているんです。蒸されることで煮こごりが熱々のスープに変化する、まさに職人技の結晶と言えるでしょう。

上海が発祥とされる小籠包ですが、現在では台湾や香港など、各地でそれぞれ独特の特徴を持つ小籠包が作られています。皮の厚さ、スープの量、餡の味付けなど、微妙な違いを食べ比べてみるのも楽しいものです。

海老蒸し餃子(ハーガウ)- 透明な皮が美しい広東点心の代表格

半透明で水晶のように美しい皮から、ぷりぷりの海老が透けて見える、見た目にも非常に華やかな点心です。もちもちとした皮の食感と、海老の弾けるような歯ごたえの組み合わせがたまりません。広東点心の代表格として、多くの人に愛されています。

この透明な皮は、小麦粉ではなく澱粉を使って作られているため、独特のもちもち感が生まれます。海老の新鮮さと職人の腕前が、そのまま味に反映される、技術が要求される点心でもあります。

ちまき(粽子)- 竹の香りが食欲をそそる伝統の味

もち米に豚肉や椎茸、塩漬け卵の黄身などを混ぜ込み、竹の皮でしっかりと包んで蒸し上げた、ボリューム満点の点心です。もち米に染み込んだ具材の旨味と、竹の皮から漂う爽やかな香りが食欲をそそります。

中国では端午の節句の時期に食べる伝統的な料理でもあり、地域によって具材や味付けが大きく異なるのも興味深い特徴です。甘いバージョンや、具材にナツメや栗を使ったものもあります。

【焼点】香ばしい焼き色がたまらない!カリッと香ばしい焼き点心

蒸し点心とはまた違った魅力を持つのが焼き点心です。表面の香ばしい焼き色と、カリッとした食感が最大の特徴。焼くことで生まれる香ばしさは、食欲を大いにそそってくれます。

餃子(ギョウザ / ジャオズ)- 世界で愛される国民食

日本では「焼き餃子」が圧倒的に人気ですが、実は本場中国では茹でて食べる「水餃子」の方が一般的なんです。どちらも豚ひき肉と野菜を混ぜた餡を皮で包む点は同じですが、焼き餃子はパリッとした皮の食感、水餃子はつるんともちもちの皮の食感を楽しむことができます。

中国では水餃子が主食として扱われることも多く、一人で20個、30個と食べることも珍しくありません。一方、日本の焼き餃子は、ごはんと一緒に食べる副菜として発展してきました。この違いも、食文化の面白いところですね。

大根餅(ローボーガオ)- 外カリ中モチの絶妙食感

千切りにした大根や干し海老、中華ソーセージなどを米粉と混ぜて蒸し固め、それを薄くカットして表面をカリッと焼き上げた一品です。外は香ばしく、中はもっちりとした独特の食感がクセになります。

大根の自然な甘みと、海老やソーセージの旨味が絶妙にマッチしていて、一度食べると忘れられない味わいです。広東料理の代表的な点心として、飲茶では欠かせないメニューの一つです。

焼き小籠包(生煎包 / シェンジェンパオ)- 上海発祥の進化系小籠包

蒸す小籠包とは製法が大きく異なり、鉄鍋で底面をカリカリに焼き上げるのが最大の特徴です。もっちりとした厚めの皮、香ばしい焼き目、そして中から溢れる熱々の肉汁という三位一体の美味しさが楽しめます。

上海の名物として親しまれており、現地では朝食として食べられることも多いです。小籠包よりもボリュームがあり、食べ応えも十分。焼き色の香ばしさが加わることで、また違った魅力を持つ点心です。

【炸点】サクサク&カリカリ!食感のアクセントが楽しい揚げ点心

油で揚げることで生まれる、香ばしさと軽やかな食感が魅力の揚げ点心。他の調理法では味わえない、サクサク、カリカリという食感のアクセントが、食事に楽しい変化をもたらしてくれます。

春巻き(チュンジュアン)- 立春の縁起物から生まれた定番メニュー

その名前が示す通り、元々は立春の頃に旬の野菜を巻いて食べていたのが始まりとされています。豚肉やタケノコ、椎茸、もやしなどの千切りを炒めた餡を薄い皮で包み、パリッと揚げた定番中の定番です。

一口食べると、パリパリの皮の食感と、中の野菜炒めのシャキシャキ感が口の中で絶妙にハーモニーを奏でます。揚げたての熱々を食べるのが一番美味しいですが、冷めても十分美味しく楽しめます。

咸水角(ハムスイコー)- 甘じょっぱさがクセになる通好みの逸品

甘めの味付けをしたもち米の生地で、豚肉や椎茸などの塩気のある餡を包んで揚げた、ちょっと珍しい点心です。「甘じょっぱい」という表現がぴったりの味わいで、外側はカリカリ、内側はもちもちという二重の食感が特徴的です。

最初は少し戸惑うかもしれませんが、一度この味を覚えると病みつきになる、まさに通好みの逸品。広東料理店でも比較的珍しいメニューなので、見つけたらぜひ挑戦してみてください。

蝦多士(ハードーシー)- 海老のすり身が美味しい贅沢な一品

食パンの上に海老のすり身をたっぷりと乗せ、パン粉をまぶして揚げた、見た目にも豪華な点心です。サクサクのパンと、ぷりぷりの海老の食感のコントラストが楽しめます。

海老の旨味が口いっぱいに広がって、ちょっと贅沢な気分を味わえる一品です。お子様にも人気が高く、家族連れでの食事にもおすすめです。

【甜点心】食後の楽しみに!心も満たされる甘いデザート点心

食事の締めくくりには、やっぱり甘いものが欲しくなりますよね。中華のデザート点心は、洋菓子とはまた違った独特の美味しさがあり、食後の満足感をさらに高めてくれます。

胡麻団子(ジーマーチュウ)- 香ばしさと甘さの絶妙なバランス

もちもちの白玉生地で小豆あんを包み、表面にぎっしりと白胡麻をまぶして揚げた、香ばしい甘さが魅力の定番デザートです。揚げたての熱々は格別の美味しさで、外はカリッ、中はもちもち、そして胡麻の香ばしい風味が口いっぱいに広がります。

胡麻の香りには、なんとも言えない懐かしさがあり、ホッと心が落ち着く味わいです。小さなお子様からお年寄りまで、幅広く愛されているデザートの一つです。

蛋撻(エッグタルト / ダンター)- ポルトガル由来の上品な甘さ

サクサクのパイ生地やクッキー生地の器に、とろりとなめらかなカスタードクリームを流し込んで焼き上げたタルトです。ポルトガルからマカオを経由して中国に伝わったと言われており、濃厚ながらも上品な甘さが人気の秘密です。

表面に付いた軽い焼き色と、中のなめらかなカスタードのコントラストが美しく、見た目でも楽しませてくれます。温かいうちに食べるのがおすすめで、口の中でとろけるような食感が堪能できます。

マンゴープリン(芒果布甸 / マンゴープーディン)- 南国の香りが漂うひんやりスイーツ

濃厚なマンゴーのピューレをゼラチンなどで固めた、香港発祥のひんやりデザートです。フレッシュマンゴーやココナッツミルクが添えられることも多く、南国の香りと爽やかな甘みが食事の締めくくりにぴったりです。

つるんとした食感と、マンゴーの自然な甘みが口の中をさっぱりとさせてくれるため、こってりした料理の後でも美味しく楽しめます。暑い季節には特におすすめのデザートです。

杏仁豆腐(アンニンドウフ)- 独特の香りとなめらかさが魅力

杏の種の中にある「仁(さね)」を粉末にして作る、独特の香りとなめらかな舌触りが特徴のデザートです。シンプルなシロップ漬けから、フルーツを添えたものまで、様々なバリエーションがあります。

杏仁の持つ上品な香りは、他のデザートでは味わえない特別なもの。口当たりがとてもなめらかで、暑い日にはひんやりと冷やして食べると格別の美味しさです。

【早わかりチャート】一目で分かる!点心種類別 詳細比較表

ここまでご紹介した点心を、分かりやすく表にまとめました。どの点心を注文しようか迷った時の参考にしてくださいね。

種類読み方主な調理法味の分類特徴・ポイント
焼売シュウマイ蒸す鹹点心豚ひき肉が主役の、肉の旨味が凝縮された定番中の定番
小籠包ショウロンポウ蒸す鹹点心薄皮の中から熱々の肉汁スープが溢れ出す職人技の結晶
海老蒸し餃子ハーガウ蒸す鹹点心水晶のような美しい皮から海老が透ける広東点心の代表格
ちまきツォンズ蒸す鹹点心もち米と具材の旨味、竹の皮の香りが楽しめるボリューム満点
餃子ギョウザ焼く・茹でる鹹点心日本では焼き、中国では茹でが主流の世界的な国民食
大根餅ローボーガオ焼く鹹点心外はカリッ、中はもちもちの独特な食感と大根の自然な甘み
焼き小籠包シェンジェンパオ焼く鹹点心上海名物、底面カリカリで中は熱々スープの進化系小籠包
春巻きチュンジュアン揚げる鹹点心パリパリの皮と五目野菜炒めのコンビネーション
咸水角ハムスイコー揚げる鹹点心甘じょっぱい味わいと二重食感が特徴的な通好みの逸品
蝦多士ハードーシー揚げる鹹点心食パンと海老のすり身の贅沢な組み合わせ
胡麻団子ジーマーチュウ揚げる甜点心胡麻の香ばしさとあんこの甘さが絶妙なデザート
エッグタルトダンター焼く甜点心サクサクのタルト生地となめらかなカスタードの上品な甘さ
マンゴープリンマンゴープーディン冷やす甜点心南国香港発祥、爽やかな甘みのひんやりデザート
杏仁豆腐アンニンドウフ冷やす甜点心独特の香りとなめらかな舌触りが特徴的な定番中華デザート

もっと点心を楽しむための実践的豆知識

せっかく点心を食べるなら、より美味しく、より楽しく味わいたいですよね。ここでは、知っていると得をする実践的な豆知識をご紹介します。

小籠包を上手に食べる方法:火傷知らずの4ステップ

小籠包は美味しいけれど、中のスープで火傷してしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。実は、上手な食べ方があるんです。

  1. レンゲの上に小籠包を優しく乗せる
  2. 箸で皮を少しだけ破り、中のスープをレンゲに出す
  3. まずはそのスープをゆっくりと味わう
  4. 残りの本体を、刻み生姜や黒酢と一緒にいただく

こうすることで、火傷を防ぎながら、スープと本体の両方をじっくりと楽しむことができます。最初は少し手間に感じるかもしれませんが、慣れてくるとこの食べ方が一番美味しく感じられるはずです。

点心と相性抜群の中国茶:脂っこさをすっきり流してくれる名脇役

点心を食べる時に欠かせないのが中国茶です。特に脂分の多い点心を食べる時は、脂肪の吸収を穏やかにしてくれるお茶を選ぶのがおすすめです。

発酵度の高い「烏龍茶(ウーロン茶)」は、さっぱりとした後味で口の中をリフレッシュしてくれます。また、独特の風味がある後発酵茶「普洱茶(プーアル茶)」も、こってりした点心との相性が抜群。どちらも脂っこさを和らげてくれるので、たくさん食べても胃もたれしにくくなります。

緑茶系では「龍井茶(ロンジン茶)」も人気で、爽やかな味わいが点心の美味しさを引き立ててくれます。

注文のコツ:バランス良く頼むためのポイント

点心を注文する時は、調理法や味のバランスを考えて選ぶと、より満足度の高い食事になります。

蒸し点心だけでなく、焼き点心や揚げ点心も組み合わせることで、様々な食感を楽しめます。また、鹹点心(甘くない点心)をメインに、最後に甜点心(甘い点心)で締めくくるという流れが、飲茶の基本的なスタイルです。

人数が多い場合は、いろいろな種類を少しずつ注文して、みんなでシェアしながら食べるのも楽しいですよね。

まとめ:点心の世界はまだまだ奥が深い

今回の記事では、餃子や焼売といった定番から、ちょっと珍しい本格的な点心まで、幅広くご紹介してきました。いかがでしたでしょうか。

蒸す、焼く、揚げる、茹でるという4つの調理法によって、同じ材料でも全く異なる表情を見せる点心たち。それぞれの歴史や文化的背景を知ることで、味わいはさらに深みを増すはずです。

また、点心の種類は今回ご紹介したもの以外にも、まだまだたくさん存在します。地域によって異なる特色や、季節限定のメニューなど、探求すればするほど新しい発見がある、それが点心の魅力の一つでもあります。

次に中華街を訪れたり、中華料理店のメニューを開いたりする際には、ぜひ今日知った新しい点心にもチャレンジしてみてください。きっと、これまでとは一味も二味も違う、素晴らしい食体験があなたを待っているはずです。

美味しい点心と香り高い中国茶で、ゆったりとした時間を過ごす。そんな贅沢なひとときを、ぜひ楽しんでくださいね。

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