人との信頼関係を築くのが得意ですか?
それとも、その一歩が踏み出せずに悩んでいますか?
心理カウンセラーは、クライアントとの信頼関係を築くプロフェッショナルです。
しかし、何の工夫もなく信頼関係を築くことはできません。
では、彼らはどのような工夫をしているのでしょうか?
ここでは、心理カウンセラーが実践する信頼関係を築く方法をご紹介します。
相手のトーンに合わせる
相手の声のトーンや表情の変化に気を配っていますか?
心理カウンセラーは、相手に会った瞬間の声のトーンや表情から、相手の気分や気持ちを感じ取ろうとします。
相手が明るい時は明るく、元気がない時は少しトーンを落として、相手に配慮した態度をとることで、相手に安心感を与えるよう心がけます。
しかし、相手に合わせて元気のない表情をするわけではありません。
相手の気持ちのトーンを読み取りながら、「私はあなたを受け入れる」というオープンな態度と表情を示します。
また、TPOを考えた服装などの身だしなみも重要です。
相手に不快感を与えない態度と服装は、信頼関係を築く上で欠かせません。
相手のパーソナルスペースを確認
相手が受け入れやすい距離感を意識していますか?
心理カウンセラーは、相手がどこに座るのか、どんな場所を好むかを意識しています。
初対面で一緒に食事をしたり、歩いたりする際には、
- 『この位置に座っても大丈夫ですか?』
- 『歩く側はどちらが良いですか?』
といったように、相手が受け入れやすいスペースを確認することで、相手は自分を優先してもらったと感じます。
自己開示で安心を勝ち取る
初対面で会話が弾まないとき、心理カウンセラーは自己開示を行い、相手の気持ちをほぐそうとします。
ポイントは、相手の緊張をほぐすことです。
「今日は天気が悪くて大変でしたね」や「今日はわざわざいらしてくださってありがとうございます」といった相手へのねぎらいを示し、自己紹介の後に、相手に関わる会社や出身地の話などを尋ねます。
相手へのねぎらいや感謝を伝え、相手が話しやすいように自己開示するテクニックは、信頼関係を築く上で非常に重要です。ぜひ覚えて活用しましょう。
『あいづち』と『わかる』を活用して相手を受け入れる
信頼関係を築くためのコミュニケーションスキルとして、『相手を受け止める』ために『あいづち』を効果的に使い、話を聞いていることを相手に伝えます。
また、相手が自分の気持ちや思いを話している時、相手の体験に共感できたときに「その気持ち、わかる」と伝え、自分も同じように感じたことを示します。
例えば、相手が仕事で行き詰まったとき、どのように話を聞いていますか?
相手が「今日、上司に頼まれたように仕事を提出したのに、うまくいかなかった」と話したとしましょう。
もしあなたが「ちゃんと聞いてからやればよかったのに」と返したら、相手はあなたを信頼するでしょうか?
- 相手:「今日、上司に頼まれたように仕事を提出したのに」
- あなた:(頷き、視線を相手に向ける)
- 相手:「うまくいかなかったんだ」
- あなた:「そうなんだ。うまくいかなかったんだ」または、「そうなんだ、大変だったね」
このように、相手の会話を受け止めて返すことで、相手は安心して次の言葉を発することができます。
相手の話を批判せずに受け入れることが、信頼関係を築く近道です。
『要約』と『言い換え』で相手の気持ちを整理・確認
相手の話を引き出し理解したときに、心理カウンセラーが行うコミュニケーション技術として『要約』と『言い換え』があります。
これは、相手の話を整理し、話にずれがないか確認するための方法です。
相手の話が途切れたタイミングを見計らって、『今の話は、○○ということですよね。合っていますか?』と確認します。
合っていれば「そうなんだよ!」と続き、合っていなければ「いや、少し▲▲が違うかな」と訂正しやすくなります。
『要約』のポイントは、「短く伝える」ことと「相手に確認する」ことです。
『言い換え』は、相手の気持ちに気づきや変化をもたらすコミュニケーションスキルです。
例えば、相手が「私は細かすぎるって言われるんです」とマイナスの自己評価をした場合…
- 「物事をよく観察しているんですね」
- 「慎重な方なんですね」
といった、プラスのイメージの言葉に言い換えます。
信頼関係を築くためには、『相手が受け入れやすい言葉で言い換える』ことが重要です。
『もう少し詳しく教えて』ドアオープンのテクニック
相手のことをもっと知りたい、あなたの話をもっと理解したいと思うときに、心理カウンセラーが使う方法です。
信頼関係を築くためには、相手の言葉や思いをきちんと理解することが重要です。
そこで、「今の話、もう少し教えて」と相手に投げかけることで、相手もボールを受け取り、うまく返そうとします。
比較的簡単に使えるフレーズなので、日常の会話に取り入れて練習してみましょう。
『オープンクエスチョン』を上手に使う
「ありますか?」「欲しいですか?」と質問して「はい」「いいえ」の答えしか返ってこず、会話が広がらない経験はありませんか?
この質問方法は、『クローズドクエスチョン(閉じた質問)』と呼ばれます。
それに対して、『オープンクエスチョン』という方法があります。
これは、相手の会話を引き出すためのテクニックで、「○○についてどう思いますか?」「○○をどう感じましたか?」といったように、相手が○○について話しやすいように質問します。
会話が増えるほど、お互いを知る時間も増えます。
単語で終わらない『オープンクエスチョン』のバリエーションを増やすことで、相手との信頼関係を築くきっかけがどんどん増えていきます。
少し意識してオープンクエスチョンをするように心がけましょう。
相手の『沈黙』を尊重する
会話中、言葉を選んだり気持ちを表現しようとするときに『沈黙』が生まれることがあります。
あなたは、この沈黙を苦手に感じることが多いでしょうか?
沈黙は、相手が考えている時間です。
相手の表情を見て、現在の沈黙が『考える時間』なのか、別の理由があるのかを見極めます。
もし他の理由があると感じたら、『私の方から話してもいいですか?』と確認してから、相手の時間を自分の時間に移行することが大切です。
あなた自身が安定すること
心理カウンセラーが信頼を得るために最も心がけているのは、自分自身の心身を安定させることです。
信頼を得るためには、自分自身がストレス解消法を持っていることが重要です。
心に余裕がないと、相手を受け入れることが難しくなります。
『疲れているな』『余裕がないかも』と感じたら、自分の気持ちに正直になり、ストレスを解消することを優先します。
あなたの心身の余裕が、相手に伝わり、相手も気持ちを開くことができるのです。
多くのリフレッシュ方法を持つことも、カウンセラーの秘密の技です。ぜひ、あなたも取り入れてみてください。
まとめ
いかがでしたか?
心理カウンセラーが実践する信頼関係の構築術をお伝えしました。
同僚や気になる相手と信頼関係を築きたいとき、ここで紹介した9つの方法を試してみてください。
最初はうまくいかなくても、続けるうちに相手の反応が変わってくるのを実感できるでしょう。
信頼関係を築くには、あなた自身が心を開き、その思いを伝えることが重要です。
無理せず、相手が話を続けたくなるようなコミュニケーションを心がけてください。
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