私たちが小学生だった頃、クラス替えは2年に一度行われることが多かったものですが、近年では多くの小学校で毎年度ごとにクラス編成が実施されているようです。
クラス替えは、子どもたちにとって大切な行事のひとつで、1年間を共に過ごす仲間が決まる機会でもあります。
現在の子どもたちにとっても、ワクワクするようなイベントとなっていることでしょう。
こうした重要なクラス分けは、いったいどのような基準で決定されるのでしょうか。
ここでは、小学校におけるクラス分けの判断基準や決定時期、成績が関わってくるのかといった点について、できる限りわかりやすくまとめていきます。
小学校のクラス分けは成績で決まるのか?
「クラス分けは成績順で決まる」という話を聞いたことはないでしょうか。
実際のところ、クラス編成の大枠は成績をもとに振り分けられることが多いようです。
学年末のテスト結果をもとに、男女それぞれで順位がつけられ、その順位に従って新学期のクラスが構成されます。
ただし、単純に1組から順に並べただけでは、クラスごとの成績が偏ってしまいます。
そのため以下のような配置パターンで調整することがあります。
- 1) 2) 3)は成績順を示す。
新1組 | 元1組 1)男子 | 元2組 3)男子 | 元3組 2)男子 | 元1組 1)女子 | 元2組 3)女子 | 元3組 2)女子 |
---|---|---|---|---|---|---|
新2組 | 元1組 2)男子 | 元2組 1)男子 | 元3組 3)男子 | 元1組 2)女子 | 元2組 1)女子 | 元3組 3)女子 |
新3組 | 元1組 3)男子 | 元2組 2)男子 | 元3組 1)男子 | 元1組 3)女子 | 元2組 2)女子 | 元3組 1)女子 |
このように成績を軸にしつつ、組間でのレベル差が大きくならないよう配置の調整を行っています。
さらに、ここからは学力以外の要素も加わってきます。
成績だけじゃない!さまざまな特性を考慮
クラス編成では運動能力やリーダーシップ、音楽的センスなどもバランスよく配置するよう考えられています。
例えば、運動会などのクラス対抗イベントであまりにも運動能力に偏りがあると公平性が損なわれますし、合唱コンクールではピアノ演奏が得意な子が各クラスに必要となることもあります。
さらに人間関係の側面も見逃せません。いじめやトラブルを避けるため、過去の人間関係をふまえた調整が行われることもあります。
特定の子たちの相性を配慮し、問題行動を抑えるためにグループ分けが行われることは、保護者にとっても安心材料になるはずです。
小学校のクラス分けはいつ行われるの?
では、具体的にクラス編成はどのタイミングで行われるのでしょうか。
学年末テストの結果が確定する2月下旬から3月上旬にかけて、担任の先生方が中心となり、新年度のクラス分け作業を進めます。
この時点では、まだ次年度の担任教師が確定していないケースがほとんどです。
教師の人事異動も同時期に決まるため、新しい担任が最終的に判明するのはクラス編成完了後となることも少なくありません。
最終的なクラス割りは、異動先や担当学年が確定した後、再調整されたうえで落ち着きます。
1組に特別な意味はある?噂の真相は?
「1組には優秀な子が集まる」「1組には問題がある子が多い」など、さまざまな噂が耳に入ることもあるかもしれません。実情としては、それらは保護者間の誤解や憶測にすぎないことがほとんどです。
なぜそのような噂が広まるのでしょうか。例えば、学年主任など経験豊富な教師が、問題対応スキルを買われて特定クラスを担当するケースがあります。
最近話題になる「モンスターペアレント」への対処など、難しい局面に対応できる教師が1組に入ることで、ある種のイメージが形成されることもあります。
しかし実際には、必ずしも1組が学年主任であるとは限りません。
4組が学年主任であったり、私自身の経験では、学年主任は必ずしも1組担当というわけではありませんでした。
1年生のクラス分けはどうしている?
1年生は成績や得意分野がまだ明確でないため、幼稚園や保育園からの情報や、先生方が園へ足を運んで集めた情報がベースとなります。
また、誕生月も考慮し、4月生まれと3月生まれの成長差を和らげるような組分けを行うことがあります。
さらに、地域ごとのまとまりを重視して、通学面での利便性を確保することもあるため、近所の友達と同じクラスになった、という経験がある方も少なくないでしょう。
まとめ
ここまで見てきたように、小学校のクラス分けは単純な成績順だけでなく、運動能力、音楽性、人間関係、教師の異動状況など、実にさまざまな要素を考慮して行われています。
新学期が近づくにつれ、子どもたちはワクワク、保護者は少しドキドキして発表を待つことでしょう。
その背景を知ることで、クラス発表までの時間をより前向きにとらえることができそうです。
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