ジャガイモは料理に頻繁に使われる食材ですが、時折紫色に変色していることがあります。
紫色になると見た目が不安かもしれませんが、実際には食べても問題ないのでしょうか?
この記事では、ジャガイモが紫色に変わった場合の安全性や、他の変色の理由について詳しく説明し、変色の原因と対策についても解説します。
ジャガイモの紫色変化の安全性と色別特徴
ジャガイモが紫色に変わった場合、食べても問題ないかどうか気になるかもしれません。
ジャガイモの変色は、時間とともにピンク、褐色、赤、紫、そして黒へと段階的に進行します。
これらの変化はすべて褐色反応によるもので、どの色になっても食べることができます。
褐色反応とは、リンゴや桃が空気に触れて色が変わるのと同じ現象です。
- ピンク色の変化:ジャガイモの内部がピンク色になることがあります。これは、育成中に外気温が異常に低かったり、冷蔵庫で不適切に保存された結果、低温障害が原因です。このピンク色の変化も、リンゴやイチゴの赤い色素と同じなので、食べても問題ありません。
- ピンクや赤色を帯びた品種:ジャガイモには「ノーザンルビー」や「アンデスレッド」など、ピンク色や赤色を帯びた品種も存在します。これらはあまり見かけないかもしれませんが、ピンク色のジャガイモもあることを覚えておきましょう。
茹でた際の黒色変化
ジャガイモを茹でると、表面が黒くなることがあります。
これは、ジャガイモに含まれるジフェノールと鉄分が加熱により反応するためで、「水煮異変」と呼ばれています。
見た目は良くありませんが、味には影響がなく、食べることができます。
緑色の変化に注意
ジャガイモの外皮や芽が緑色に変わることがあります。
これは、ソラニンやチャコニンなどの成分が原因で、有毒です。
腹痛、めまい、嘔吐などの食中毒症状を引き起こす可能性があります。
- 緑色に変色した部分は加熱しても毒性が残るため、皮を厚く剥いて緑色の部分を完全に取り除くようにしましょう。
- ジャガイモ全体が緑色に変色している場合は、安全のために食べない方が良いです。
流通しているジャガイモではあまり見かけませんが、家庭で栽培したり他人からもらった場合には注意が必要です。
学校で栽培したジャガイモが原因で食中毒が起こった例もあるので、緑色のジャガイモには十分注意しましょう。
ジャガイモの変色を防ぐ方法
ジャガイモが変色するのを防ぐための方法はいくつかあります。
以下にその方法を詳しくご紹介します。
水に浸す
まず試してみるべき方法は、水に浸すことです。
これは古くから使われているアク抜きのテクニックで、多くの料理本でも推奨されています。
ジャガイモは切った部分が空気に触れると黒変色しやすいため、水に浸けることで変色を防ぐことができます。
- ボウルなどの容器にジャガイモを入れ、適量の水を加えます。
- 水が濁ってきたら新しい水に交換します。
- 約10分間浸した後、ジャガイモの水気をよく切って調理します。
この方法では、ジャガイモのデンプンも取り除かれるため、煮崩れの防止にも効果的です。
特に煮物やスープに使用する前に水に浸すことをお勧めします。
酢水の利用
酢水を使うことで、変色の原因となる酵素の働きを抑えることができます。
この方法は、ごぼうなどのアク抜きにも使用されています。
方法は簡単で、酢を少量含ませた水に切ったジャガイモを浸けるだけです。
- 酢の量は少量なので、料理の味にはほとんど影響しません。
- 酢水を使うことで酵素の活動を抑制し、水煮異変による変色も防げます。
皮をむいたらすぐに調理
変色を防ぐためには、皮をむいたジャガイモをすぐに調理するのが最善です。
特に炒め物や揚げ物に使う場合は、皮をむいた後すぐに調理するのが理想です。
水に浸す方法や酢水の方法は、ジャガイモに含まれるビタミンが失われる可能性があるため、浸す時間は10~15分程度に抑えましょう。
主な目的は変色防止と煮崩れの防止です。
冷凍保存
冷凍保存も変色を防ぐ手段として有効です。
ただし、生のジャガイモをそのまま冷凍すると、解凍時に水分が抜けて食感が損なわれるため、工夫が必要です。
以下におすすめの保存方法を2つご紹介します。
調理後に冷凍保存する方法
茹でたり蒸したジャガイモをマッシュポテト状態にして冷凍します。
通常のマッシュポテトは生クリームや牛乳、塩で味付けしますが、この方法ではジャガイモだけで作ります。
解凍は冷蔵庫でじっくり行うか、電子レンジの低温モードを使用します。
解凍後はお好みに合わせて味付けし、ポテトサラダやコロッケに利用するのが美味しいです。
生のまま冷凍する方法
ジャガイモの皮をむき、細切りにして水気を切った後、ジップロックなどの冷凍バッグに入れて冷凍します。
冷凍バッグ内のジャガイモが重ならないように配置すると使いやすくなります。
冷凍保存により約1ヶ月間保存可能で、小分けにしておけば必要な分だけ使え、離乳食にも最適です。
生のまま冷凍したジャガイモは解凍時に水分が抜けるため、冷凍状態のまま調理するのがベストです。
特に炒め物に適しており、素早く調理できます。
ただし、冷凍ジャガイモを煮物やスープに使うと、食感がふやけるため、あまり向いていません。
ジャガイモが変色する理由
ジャガイモが変色する原因はさまざまです。
以下にその主な原因を詳しく説明します。
褐色反応
ジャガイモを切った後に黒ずむのは、ポリフェノールによる褐色反応が原因です。
この現象は、りんごやごぼう、桃、アボカドなどでも見られます。
- 褐色反応は、ジャガイモに含まれるチロシンが空気に触れることで酸化し、メラニンが生成されることによって発生します。
- メラニンは日焼けの原因としても知られています。
ジャガイモが切られて放置されると黒くなることがありますが、見た目が変わるだけで味には影響しません。
変色した部分は加熱や水に浸しても元の色には戻りません。
低温障害
ジャガイモが低温で長期間保存されたり、冷たい土壌で育つと変色が見られることがあります。
これは低温障害と呼ばれる現象です。
ジフェノールと鉄分の化学反応
ジャガイモを茹でたり調理する際に黒くなるのは、ジフェノールと鉄分の化学反応によるものです。
これを「水煮黒変」と呼びます。
ジフェノールと鉄分が加熱によって反応し、黒く見えることがあります。
レンジで時短調理した際に黒くなっても、この理由を知っていれば安心です。
ジャガイモの下処理方法
ジャガイモの下処理にはいくつかの方法があり、これを知っておくとより美味しく、安全に調理することができます。
皮を厚めにむく
ジャガイモの皮は、芽が出ている部分も含めて厚めにむくと良いでしょう。
これにより、芽も取り除けます。
爪楊枝で芽を除去
芽の部分は、爪楊枝を使って丁寧に取り除くことができます。
包丁よりもジャガイモの形を保ちやすいです。
アク抜き
切ったジャガイモを水に10分間浸すことで、アクを取り除くことができます。
この方法により変色を防ぎ、苦味や渋味も軽減できます。
皮の洗浄
ジャガイモの皮は、スポンジやたわしを使って洗いましょう。
皮付きで作るジャーマンポテトなどにおすすめです。
スポンジやたわしが苦手な場合は、アルミホイルを丸めたもので洗うこともできます。
まとめ
ジャガイモが紫に変色しても特に問題はありませんが、緑色に変わった場合は食べない方が良いです。
料理する際には、水にさっと浸すなどして変色を防ぐと良いでしょう。
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